この週末、長崎県では大雪の予報が出ています。県外の方に「長崎で雪が降る」と言うと、「暖かいイメージだから意外!」と驚かれることがよくあります。確かに長崎の冬の気温(12月~2月)は全国4位。データで見ても上位に入る暖かさです。(資料:気象庁「気象観測統計2020年平年値」より)ではなぜ、そんな暖かいはずの長崎に雪が降るのでしょうか。
■日本海は、寒気にとっての「温泉」

そもそも日本は、世界的に見ても雪が多い特殊な国です。その最大の理由は「日本海」にあります。
まず雪雲が発達するためには、大陸からやってきた冷たい空気が海の上を長く吹き渡る必要があります。冬になると、大陸で冷やされた強烈な寒気が日本へ流れ込みます。このカラカラに乾いた冷たい空気が日本海を渡る際、海から大量の水蒸気を吸い上げます。これを専門用語で「気団変質(きだんへんしつ)」と言います。
冬の海は私たちには冷たく感じますが、氷点下の大陸の風にとっては、まるで「湯気が立ち上る温泉」のような存在。ここでたっぷりと水分と熱を吸収した空気が雪雲へと成長し、日本海側に雪を降らせるのです。
■長崎を雪から守る「朝鮮半島ブロック」
長崎も西の端に位置し、海に面していますが、普段は他の日本海側(北陸など)ほどの大雪にはなりません。そこには「朝鮮半島」の存在が大きく関係しています。

地図を見ると、九州と大陸の間は、他の地域に比べて海が狭くなっていますよね。雲が発達するためには、海の上を長く進む必要があります。これを「吹走距離(すいそうきょり)」と呼びます。

長崎の場合、北寄りの風だとすぐ近くに陸地(朝鮮半島)があるため、雲が大きく育つ前に長崎に到達してしまうのです。
■今回の例外 守りがない「西風」のルート
しかし、例外があります。それが今回予想されている「西寄りの風」です。

雲を動かす上空の風向きが西寄りになると、風は朝鮮半島を回り込むようにして、長い距離を海の上(東シナ海)を渡ってきます。遮るものがない海の上で、雪雲が「これでもか」というほど水分を蓄えて長崎へ流れ込んでくるのです。8日(日)の中層の風向きは、まさにこの「西寄り」。朝鮮半島のブロックが効かず、長崎でもまとまった雪になる可能性があります。
■週末の備えを
気温が1℃を下回ると、平地でも地面に雪が積もりやすくなります。今回の予想最低気温は-1度。ノーマルタイヤでの走行は非常に危険です。
■雪のピーク
日曜日の雪のピークは朝にかけて。日中も気温が上がりにくいため積もる雪の量によっては月曜日の朝にかけて雪が残り、一旦、雪がとけても月曜日の朝の冷え込みで路面が凍結するおそれがあります。日曜から月曜の早朝にかけては無理な外出を控え、安全にお過ごしください。








