肉が割かれるような痛み 直美さんを守った母
江頭さんに、NBCに残る母・千代子さんの被爆証言を聞いてもらいました。

江頭千代子さん(1970年放送「被爆を語る」より):
「いつもかろうて(背負って)は仕事しないんですが、背中で寝てしまったんで。『直美ちゃん寝とんっなっけん、寝せてこんね』と言われて医務室へ行って、『おいひも』をまだほどかない時でした…ぐわーっ!と校舎が崩れるような音がしたもんだから、ぶわっ!と(直美ちゃんを)おろした上に伏せたんです。それが原爆が落ちた時。光も何も知らない。ただ背中の肉が割かれるような強い痛みと、おしゃがれるような爆音と…」

熱線、爆風、放射線が襲いかかった校舎の中で、千代子さんは直美さんを身をていして守りました。千代子さんの背中には、無数のガラス片が突き刺さりました。直美さんには、ほとんどけがはありませんでした。