「自分も含めてしていなかったと思う」見直されるべき訓練

事故を受けて、太田黒医師は「トラブルを想定した訓練の必要性」を訴えています。

太田黒崇伸医師:
「今回の事故を受けて、より安全性の高いドクターヘリ事業、特に緊急脱出や不時着陸の訓練が必要だと感じる。実際にライフジャケットを着用して膨らませるところまで、自分も含めて今まで多分してなかったと思う。そうしたことを1回やってみる、緊急脱出の方法を実際に自分で実践するということを見直していくべきだと思います」

ライフジャケット常時着用せず

長崎県によりますと、県のドクターヘリには非常用の救命胴衣が装備されていますが、医療行為の妨げになることから、常時装着はしていないということです。今回の事故で、乗っていた6人が事故発生時に救命胴衣を着けていたかは分かっていません。

「空の医療」は不可欠

離島医療の維持は、多くの離島がある長崎県が抱える最大の課題の一つです。県はヘリコプターを活用し、質の高い医療の提供維持に取り組んでいます。

離島医療の基盤ともなっている医療搬送用ヘリの事故に、どのように向き合っていけばいいのかー。

太田黒崇伸医師:
「緊急性が必ずしも高くなくても、やはり長崎県本土での治療が望ましい患者は必ず一定数いらっしゃる。そうした患者のために、ドクターヘリ、あるいは医療搬送用のヘリなど『航空医療搬送』は非常に大事になってくる」