子どもの行事にも使える!

【平】男女とも育児中の柔軟な働き方ができるように、改正された法が4月から施行されます。中でも注目したいのは「看護休暇の見直し」です。看護休暇とは、「子どもが病気やケガをしたときに取得できる法定休暇」です。
4月からは、名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」と「等」が入るように変更されますが、病気の時だけでなく、入園式などにも、看護休暇が利用できるようになります。また、対象が「小学校3年生修了」までに拡大されます。法改正に至った背景を長崎労働局に聞きました。

長崎労働局雇用環境・均等室佐藤かおる室長:
「共働き・共育てという観点から、男性も女性も制度を利用してもらってワークライフバランスがはかれる働き方にしようと。人手不足問題もある。結婚や妊娠、育児をきっかけに辞めてしまうと、会社にとっても育ててきた人材を失ってしまう。非常にもったいない。男性も女性も育児休業の関連の制度を活用してもらいたい」
"辞めさせない"
【平】国立社会保障・人口問題研究所によると、第一子の出産前後に仕事を継続している女性は全体のおよそ7割で、20年前のおよそ1.7倍に増えています。逆に言うと、3割は出産・育児を機に離職をしていることが分かります。

【住】人手不足が加速している中で社員が離職をするのは、企業にとっても痛手ですね。
【平】出産・育児を機に離職した女性は、2022年までの1年間で14万人以上いると言われています。国などが離職経験のある女性を対象に行ったアンケート調査では、仕事を辞めた理由で最も多かったのは「仕事を続けたかったが仕事と育児の両立が難しかった」という回答です。
【住】今回の法改正によって、会社も就業規則を変えざるを得なくなりますから、働きやすい環境が生まれるといいですね。
【平】改正法について、子育て世代はどう受け止めているのか、長崎市の企業を取材しました。
「毎日があっという間」1歳の双子の母親

1899年創業のフジオカは、時代の変化に応じた育児をしながらでも働きやすい職場環境作りを目指しています。
去年7月に職場復帰した女性社員は、1歳5か月の双子の女の子を育てています。

フジオカ石油事業部統括課 栄田都果沙さん(32歳):
「とても大変ですね。毎日あっという間で気付いたら夜になって、朝来てみたいな。周りの人が協力してくれるので仕事はスムーズに出来ているかなと。制度を使って休みやすくなるのは、凄くいいことだと思います。働きながらでも子育てできるんだっていうのを分かって育っていってもらえたら、キャリアアップとかにも支障がでないのかなと思います」
4歳と6歳の子どもを保育園に送迎している後山さんも育児・介護休業法の改正を歓迎しています。

フジオカ不動産事業部 後山幸輝さん(33歳):
「(休んでも)大丈夫かなーとなるところが大きいと思う。休みを取る時に『決まり』として認める法律があるなら心強い。(休みを)取りやすくなるのはいいことかと思います。急なことが起きたときに、社員同士で補っていける体制が必要かなと思います」

フジオカ総務部 德久雅人課長:
「社員の皆さんが働きやすく、休みも取りやすい環境を目指しています。皆で協力しあってチームとしてやっていくことが大事だと思っています」
男性の育休取得率、2.65%→?
【住】私も育児に積極的に関わろうと、1か月間の育児休暇を取得しましたが、男性の育休取得率の現状はどうなっているのでしょうか?

【平】育児休業の取得率は、女性については全国平均は8割台で推移していますが、男性は上昇傾向にはあるものの、昨年度はおよそ3割とまだまだ女性に比べて低い水準です。国は、今年は男性の育休取得率50%、2030年までに85%を目指しています。

なお、育休の取得期間は、女性は9割以上が6か月以上である一方、男性は、1か月以下の人が約6割です。また、男性が育休をとっても「取るだけ育休」になり、育児ではなく、自分自身が休んでしまうということも指摘されています。
【住】男性が育休を長期間取りにくいという気持ちもよく分かります。同僚に対して申し訳ないという気持ちも正直ありますよね。