うつ病や摂食障がいを乗り越え、大手ファッションブランド「GAP」のモデルにも抜擢された女性が長崎市にいます。
「誰もが美しい」をモットーに、自分らしく輝く彼女がいま伝えたいこととは。

■ ”細い = 美しい” という固定観念

野口 詠子さん:
「そのままの自分でいいじゃんって。”美しさ = 個性” だと思っています」


長崎市に住む野口 詠子さん。
主にLサイズ以上の服を着る「プラスサイズモデル」です。


3年前からモデル活動をはじめ、インスタグラムでファッションやメイクアップを発信。
プラスサイズの女性を対象としたコンテストなどにも出場し、去年は大手ファッションブランド「GAP」のモデルにも抜擢されました。

”細い = 美しい”
多様化が進む今でも、こうした固定観念は根付いています。


若い世代の女性を対象に行われたアンケートでも、このことを裏付ける様に10代で60%。20代と30代でおよそ75%の人が「ダイエットをしたことがある」と回答しています。


20代 学生:
「(ダイエットをしたことが)続かなかったんですけど…あります。ネットやテレビですごい細い子っているじゃないですか。そういうの見ていると、なんかやっぱスタイル良い方が良いなって。見た目的には細い方が綺麗だなって思う」

40代 公務員:
「体重計も乗るんですけど、鏡見てちょっとお腹出てるなとか」

10代 学生:
「太ってるから(痩せて)もっと可愛くなった方がいいかなって」

■ 激務からうつ病に…体重が1年で35キロ増加

大学卒業後は看護師として働いていた野口さん。
しかし働き始めて1年が経った頃、仕事の忙しさなどが原因で体調に異変をきたします。


野口詠子さん:
「1年目の最後らへんに急にめまいがし始めて。当時の師長さんがもう『ちょっと1週間休んだら?』っていうふうに言ってくださって…。
そこで休んでから糸がぷつっと切れたみたいな感じで。体も心も苦しくて解放されたかったんですよ。もうこの苦しみから逃れたい」

うつ病を発症。情けない 消えたい 申し訳ない ──
心に浮かぶ”辛い感情”の捌け口は食事に向かいました。その反動で体重は1年で35キロ増えました。


過食を繰り返す一方で、病院で言われた医師の言葉がきっかけで。拒食も経験しました。


野口 詠子さん:
「ちょっと胃が痛くて、胃カメラに行ったんですよね。そのときに『食べなければ痩せるよ』って言われて。1か月ぐらい食べられなくなった時期がありました」