韓国人観光客に聞く 長崎直行便への期待

【平】韓国からの旅行客については、来月の定期便再開に先立ち、今月チャーター便が4便運航されました。韓国人客に、長崎との直行便再開の感想などを聞きました。

韓国からの旅行客へのインタ:
「(直行便は)とっても便利ですね。刺身や色々なものを食べたい」
「雲仙温泉に行きたい。私が日本で一番大好きなことは、温泉に入ること」

「家族旅行で来ました。めっちゃ便利になったと思っています。長崎ちゃんぽんを食べたい。」
「温泉に入ることが好き。私は小さな町に旅行に行きたい。大都市じゃなくて。小さな町は綺麗で、親切で、混雑してなくて、小さな町はユニークだから。」

【平】チャーター便については、長崎、佐世保の両市の観光のほか、島原半島や五島列島などを巡るツアーやゴルフツアーが組まれたとのことです。

韓国からの旅行者の消費をみると、まず消費単価はコロナ禍前の1.6倍に増えており、コロナ禍前と比べて3割程度の円安となっていますが、それを差し引いても、消費額は増えています。

また、日本における消費の内容をみると、他の外国人旅行客よりも、現地ツアーやゴルフに消費する割合が大きいのが特徴です。

今回のチャーター便の旅行者が長崎でどう過ごしたのかや、長崎に対する印象を聞きました。

帰国便の乗客へのインタビュー:
「日本人も親切ですし、食べ物も美味しくて、天気も良く楽しい旅行でした。」
「冬にもう一度来て、温泉旅行をしたいです。」

「とっても良かった。ホテルも食べ物も景色も大満足ですね。」
「小さな町も、温泉も食べ物もとても良かったです。長崎は綺麗な町。近隣の町も本当に綺麗だった。」

「とても良かった。私たちは長崎でゴルフをしました。日本人スタッフはとても親切でした。」
「私は日本語がわかりません。英語のインフォメーションが多くない。もし英語か韓国語の情報があればもっと楽しめたのに。英語を話せる人が少ないから、理解するのが難しかったです。

【平】韓国語や英語などインバウンド客に対応した観光案内板の設置や接客スタッフの多言語対応など、課題も見えてきましたね。

【住】一方で、長崎空港から韓国への旅行者も増やさないといけないですね。
【平】そうなんです。韓国からの旅行者だけでなく、長崎空港からの韓国への旅行者も増やさなければ、せっかく復活した定期便が、また、休止や廃止になってしまいます。町の人からは、韓国便の利用を望む声が聞かれました。

街頭インタ70代男性
「直行便があるといいですよね。歴史があるところとかに行ってみたいと思いますよ。」

20代女性「行きやすくなっていいんじゃないかなって。」
20代男性「せっかくできるなら行ってみたいですよね。」「韓国料理を食べたいかな。」
20代男性「一回は行ってみたいですね。のり食いたいです。」

男子高校生(17才)「辛いものが好きなので行ってみたいです。」
30代女性「バスも本数も減ってるし、時間も限られてるし、長崎に作ったからには、そういう交通便のことに関してはもうちょっと考えてもいいんじゃないかな。」

【平】ただ、長崎県民のパスポート取得率をみると、高くないのが実情です。昨年における一般旅券の5年旅券と10年の旅券の合計の有効旅券数を人口で割ったものですが、全国平均が16.6%なのに対して、長崎県は9.6%となっています。

隣県の佐賀空港では、「国際線グループ旅行支援」を行っていて、国際線の往復利用で、最大一人10,000円の助成を行っています。

県は、他の空港との差別化をはかるのではなく連携することが、利用者を増やすためには必要だと話します。

県文化観光国際部国際観光振興室 小宮健志室長:
「九州の各空港と連携をしてイン・アウトそれぞれ別の空港を活用するような、そういった旅行するお客様の利便性が向上するような旅行形態、そういったものも長崎空港も1つ利用いただければいいかなと思ってます。」

【平】今回、長崎に定期便を就航させる大韓航空は、39か国111都市に路線を展開しています。これにより長崎空港からは従来からの羽田空港経由と成田空港経由に加えて、ソウル経由という3つ目のルートができたということです。

つまり、韓国との往復だけでなく、韓国経由で世界を往復するという選択肢にもなるということです。これにより、長崎への欧米からの利便性も高まり、韓国人だけでなく、世界の国々からの来崎にも期待したいです。

また、大韓航空は旅客機136機のほかに貨物専用機を23機保有しているため、長崎からソウル経由で世界に貨物を運ぶこともできます。航空貨物という意味でも韓国便の就航は大きいと思います。

【住】韓国のナショナルフラッグキャリアが長崎空港に定期便を就航させる意味は大きいですね。

【平】韓国便は再開させることが目的ではなく、これをどう地域経済の活性化に結び付けるかが大切です。韓国便の再開はゴールではなく、スタートです。そして、スタートダッシュが大切だと思います。

就航まであと1か月しかありません。多言語対応の観光案内や接客スタッフの外国語対応、外国人にも便利なキャッシュレス化や県内周遊のための二次交通アクセスの強化などの課題に対して官民あげて取り組み、地域間競争に勝てるような受け入れ態勢を整える必要があると思います。