不測の事態発生の懸念を理由に式典へのイスラエルの招待を見送った長崎市。これを受けG7諸国の駐日大使が欠席するなど波紋を呼んだ今回の動きを市民や専門家はどう感じたのでしょうか。

今年の平和祈念式典には原爆を投下したアメリカ、それに核兵器国のイギリスやフランスなどG7諸国の駐日大使らが欠席しました。

市民はー

長崎市民(62)「いろんな思惑はあると思うんですけど、やはりね、核が日本に落とされているわけですから、長崎被爆地ですから、そういういろんな損得勘定抜きにですね、やはり来ていただきたいなと」

被爆二世(73)「本当にね、平和とか願っているならば、そういうのに関係なく来られた方がいいんじゃないかと思いますけどね」

被爆者(85)「もうみんな(大使)に来ていただいて知ってほしいですよね。なんで争うのが好きなんでしょうね、人間」

外交や国際安全保障を専門とする長崎大学の西田充教授は今回の動きが今後、国際的な問題に発展する可能性を危惧しています。

長崎大学・西田充教授

「これ下手すると国際問題になりますし、単なるG7と日本の間だけじゃなくて。「イスラエルを擁護している」「ダブルスタンダードじゃないか」というグローバルサウス側(新興国など)の西側諸国に対する認識をさらに強めることになる。(G7側からすると)「長崎が言っているのはすごく政治的なスタンスだ」と」

長崎市は政治利用の意図はなく不測の事態発生の懸念がぬぐえないとして招待を見送りました。

長崎大学・西田充教授

「前例が1回作られてしまうと、それをまた変えるってのは大変なんで、それなりの理由が必要。これで一旦前例ができてしまうわけですよね。そこはこれからの対応のやり方、対応次第だと思いますけどね」

長崎市は来年以降の式典について、「被爆地長崎で被爆の実相に触れてほしいため全ての国を呼びたいと思っている。そのうえで国際情勢などを踏まえ検討すべき事項がある場合は再度検討したい」としています。