広島の黒い雨は認められたー被爆地の格差

広島では2021年、被爆者援護対象区域の外で雨を浴びた84人全員を被爆者と認める判決が出たことを機に、被爆地域の線引きとは関係なく「黒い雨」被害者を救済する「新基準」が作られ、2022年度から運用されています。
広島の被爆地は実質6倍以上に広がり、遠くは40キロにいた人までおよそ6千人が新たに「被爆者」と認められました。

4歳だった原告・松尾榮知子さんは、爆心地から8キロで友達と遊んでいた時、爆風に襲われました。

被爆体験者 松尾榮千子さん:
「市内からのごみが飛んでくるんですから。ピンポン玉位の石もぴょんぴょん飛んできましたから。しんこちゃんは4年後に白血病で亡くなりました。白血病はあんまり多いもんだから『流行病』っていいよったんです」
母親も12年後に「骨肉腫」で死亡。松尾さん自身も皮膚癌が8回、乳がんも3回と癌を繰り返しています。

松田宗吾さんとムツエさん夫婦は、爆心地から8.5キロの高台にいて「灰が大雪の様に降り続いた」と証言しています。
被爆体験者 松田宗伍さん:
「もう雪の降るごと灰は空暗くなるように降ってきたんです。急にお日様もぼんやりなってしもうて」
被爆体験者 松田ムツエさん:
「もう大雪みたいに降ってきたから真っ黒く。それをみんな手でうけたりなんかして喜んだごとして遊んでおりましたけどね」

大量の灰の中には、おはじきやお金も混じっていて、子供たちは喜んで追いかけたと言います。「灰は肥料になる」と集めては畑にまき、灰の浮いた井戸水で生活していました。

原爆で拡散した放射性微粒子によって被爆したと訴えてきた「被爆体験者」。ようやく実現する総理大臣との面会が、救済へとつながるのか?総理の発言が注目されます。








