長崎に原爆が落とされた8月9日に執り行われる平和祈念式典に、イスラエルの大使を招待するか「保留」としていた長崎市に対し、日本を除くG7各国とEUの駐日大使らが「イスラエルの招待を求める書簡」を送っていたことがわかりました。市はこの書簡も考慮した上で「イスラエル不招致」を決めたとしており、「判断に変更はない」としています。
8日午前長崎市鈴木市長会見より
長崎市 鈴木史朗市長:
「日本を除くG7各国およびEUから書簡があった。7月19日東京発。25日に受け取った」
「主な内容は
■イスラエル大使が式典に招待して頂けない可能性を憂慮している
■招請しないことは、結果的にイスラエルをロシア・ベラルーシといった式典に招請されていない国と同等にみなすことになり、遺憾であり誤った印象を与えることになる
■イスラエルが除外されることがあれば、式典に高官を派遣することは難しくなる
というものだった。私(市長)としては、決して政治的な理由で招待状を発出しないことではなく、あくまでも平穏かつ厳粛な雰囲気の元で式典を円滑に実施したい、そういう思いのもとで今回こういう決定をした」
「私が説明してきた内容がまだ十分に理解して頂けていないことの結果だと理解している」「真意が伝わっていない」
「この書簡を受け取り、31日に最終的にイスラエル大使を招待しない、
招待状発出しないことを決定し発表した」
「発表後に、日本を除くG7各国、EU、イスラエルの大使またはその代理となる方に対し、私から口頭で何らかの形で説明し理解を求めた」
「正直言って十分に理解頂けたとは思っていない、平行線のところある。
機会を通して粘り強く説明させていただき理解を求めたい」
「あくまで市の立場で判断した」
Q市長判断に変わりはないか?
「判断に変更はない」
「政治的理由ではなく、紛争当事国だからという理由で呼ばないのではない。むしろ紛争当事国だからこそ呼ぶべきだと私自身は思っている。
「明日8月9日は長崎市にとって一年で一番大切な日だ。被爆者は平均年齢85歳を超えている。私の両親も被爆者で90歳。酷暑の中式典への参加は無理だが、高齢の体に鞭打って参加する人もいる。そういう被爆者が参加する式典が何か妨害によって影響受けてはいけない。その心を配る一環として判断した」
「(今回大使が出席しない国々は)長崎にとっても日本全体にとっても大切な国々なので、真意が正しく理解いただけるように、必要に応じてあらゆる機会を捉えて話していきたい」








