連れて行って…女の人を置き去りに

山下正英さん(99):
「あさ9時頃警戒警報が鳴ったから山の中に隠れとった。バーンと側に落とされたかと思って出てみたらね…もうみんな燃えて対岸は見えないような状態だった」

「『山下くーん山下くーん』って言って工場長が来て『決死隊をつのれ!』と言う。私は同僚5人引き連れて泳いで渡った、幸町に」

何が起こったのか分からないまま、山下さんは同僚5人と川に飛び込み幸町工場へー。そこで目にしたのは、熱線と爆風で滅茶苦茶に破壊された工場と、呻き苦しむ同僚たちの姿でした。

山下正英さん(99):
「工場は屋根もないし吹っ飛んでしまっとるからね。入って行けるくらいの(目茶苦茶な)倒れ方しとる。中で倒れた人おったけどどうすることもできない…。連れて行ってくれっていう女の人…連れて行けなかった。もうなんもできんで…」