長崎市の中心部に、現存する公営アパートとしては最古の建物が残っているのをご存じでしょうか?1949(昭和24)年に完成した「旧魚の町団地」です。現在は使われていないこの「旧魚の町団地」について、長崎県は、民間事業者のアイデアを取り入れ町の新たなコミュニティ拠点として、再生させようとしています。

建物に足を踏み入れた瞬間、戦後まもない頃の時代にタイムスリップしたような錯覚に陥ります。

長崎市役所の近くにひっそりと建つ築75年の「旧魚の町団地」

建設当時としては、最新鋭だったトイレやキッチンがついた間取りや内装が、そのまま残っていることから《歴史的価値が高い建物》とされています。

配膳窓

長崎県住宅課 牧田さん:
「当時、冷蔵庫とかがなかったので、《戸棚が網戸》になっていて通気性が良くて。食べ物や食器を置けるような形になっている《配膳窓》は、1948年に設計された「48型」の特徴と言われておりまして。お母さんが料理をし、食卓の方へここから差し出す」

「旧魚の町団地」は、建設当初は「酒屋町(さかやまち)団地」と呼ばれていました。1948年に設計された『48型』と呼ばれる鉄筋コンクリート造りの公営アパートは現在、全国に5棟しか残っていません。