長崎大学の泉川教授は、21日の会見で、新型コロナの感染拡大を受け「長崎県の医療はひっ迫してきている」「今後、感染者の死者が増えていく」との認識を示しました。


長崎県では20日、1日の新感染者数としては過去最高となる1,587人を確認しました。
感染拡大の原因として、県内でも感染力が強いオミクロン株『BA.5』への置き換わりが進んでいると分析しています。

その上で泉川教授は、家庭内感染により”医療従事者へ感染が広がっている”ことを問題視していて、感染者が増加するなか、医療従事者の感染によるマンパワーの低下が、”医療のひっ迫” を加速させる恐れがあるとしています。

また、泉川教授は感染拡大が続けば、今後、特に高齢者が亡くなることが増えると予測しています。
オミクロン株は症状が比較的軽く、20日の県の発表でも新型コロナによる重症者は1人とされています。
しかし、泉川教授は、症状が比較的軽いと言われるオミクロン株であっても、高齢者の中には、発熱やのどの痛みなどから食事が摂れなくなったり、寝たきりになることがあると指摘。
その結果、療養中であっても体力や免疫力が低下し、別の病気を発症することで死に至るケースが増えてくると警鐘を鳴らしています。

泉川教授は「重症化を防ぐためにはワクチン接種が有効」とした上で、基本的な感染対策や暑い日が続く中でも十分な換気を心掛けるよう呼び掛けています。