夏の高校野球宮崎県大会。夢の舞台、甲子園への切符をかけた宮崎学園と聖心ウルスラの決勝戦は、決勝にふさわしい好ゲームとなりました。

試合はタイブレークまでもつれこむ接戦の末、宮崎学園が初優勝を果たしました。

ノーシード同士の対決となった決勝戦。
6年ぶりの頂点を目指す聖心ウルスラ学園と甲子園初出場を狙う宮崎学園が対戦しました。

聖心ウルスラは、初回、4番・甲斐のヒットで2アウト3塁・1塁とし先制点のチャンス。
5番・山崎のあたりはセカンド正面のライナーとなり、セカンドがしっかりとキャッチ。先制点はなりません。

そのウラ、宮崎学園もヒットとフォアボールなどで、2アウト2塁・1塁のチャンス。
ここで打席には、5番・齋藤崚雅が入りますが、セカンドゴロに倒れ、無得点に終わります。

試合は投手戦となり、両校のエースが好投をみせます。

3回には、宮崎学園の先発・河野が3者連続で三振を奪う圧巻のピッチングを披露。

一方、聖心ウルスラの先発、渡野も得点圏にランナーを抱えるものの、要所を締めるピッチングで0点で切り抜けます。

4回、宮崎学園は2アウト1塁で7番・浦田。

去年、宮崎学園のエースとして活躍した浦田選手の兄、夢剣さんも応援へかけつけていました。

(兄・浦田夢剣さん)「相手を圧倒するくらい点数とって優勝してほしい」

しかし、空振り三振に倒れます。

一方、聖心ウルスラのスタンドにも、2005年はじめて甲子園へ出場したときの野球部員も応援に駆けつけました。

(加藤武紫さん)「気持ちだけは負けてほしくない。後悔は何度でもあとでできるので、今は気持ちでやってほしい」

緊張感のある攻防の中、聖心ウルスラは、7回、2アウト2塁1塁の場面で代打、日野がライト前ヒット。
2塁ランナーの豊丸が、一気にホームを狙いますが、タッチアウト。宮崎学園の守備に阻まれ得点することができません。

一進一退の攻防が続く中、両チーム無得点のまま9回へと突入します。

聖心ウルスラは、ランナーを得点圏まで進めますが、チャンスを生かすことができません。

そのウラ、宮崎学園は、2アウト1・3塁とし、サヨナラのチャンス。
ここでバッターはピッチャーの河野。しかし、セカンドライナーで3アウト。

試合は、ノーアウト1・2塁から始まるタイブレークに突入します。

10回表、聖心ウルスラは送りバントで1アウト2・3塁としますが、宮崎学園の河野がこの試合12個目となる三振を奪い、2アウト。
なおもチャンスは続きますが、2番・野田はピッチャーゴロで3アウト。
宮崎学園・河野の力投を前に聖心ウルスラ、この回も無得点に終わります。

そのウラ、宮崎学園は、先頭バッターの齊藤聖覇がランナーを3塁に進めます。
再び、サヨナラのチャンスで打席に入ったのは代打の渡邊。

聖心ウルスラのピッチャー、渡野の投球数はすでに140球を超えています。

渡邊は、ここでライトの後方を超える一打。3塁ランナーがかえって、1対0で宮崎学園がサヨナラで勝利。

(父・渡邊俊実さん)「今までずっとやってきたのが、実ったんだな。よくやったと伝えたい」

劇的なサヨナラ勝ちを収めた宮崎学園。
悲願の初優勝で甲子園出場をつかみ取りました。

(決勝タイムリー・宮崎学園 渡邊隼人選手・3年)「3球フルスイングで自分が決めてやろうと打席に入った。甲子園ではスタメンではなくても途中から出て、相手の足元をすくうようなジョーカーのような存在になれたらいい」

(宮崎学園 河野伸一朗投手・2年)
「負けても勝っても楽しくできたらいいなと、先発に臨んだ。自分たちの目標は甲子園1勝なので、絶対に勝って笑顔で終わりたいと思っている」

(聖心ウルスラ学園 長瀬 昊 主将・3年)
「自分たちがここまで来れたのは、自分たちの力だけではないし、保護者の方々の支えであったり、学校の友達や先生方の応援があったからこそ、ここまでこれたと思っているので、感謝の気持ちでいっぱい。悔しい思いはあるが、やり切ったという思いは一番なので、胸を張って、しっかり終わりたい」