去年、宮崎県内の交差点で発生した人身事故の件数のワーストランキングは次の通りです。
■交差点の人身事故ワーストランキング(2021年)
1位 西の原(宮崎市)
2位 瀬頭(宮崎市)、江平1丁目(宮崎市)
4位 錦町(宮崎市)、原池田(宮崎市)、都北町(都城市)
7位 市役所前(宮崎市)、昭和町(宮崎市)、平小牧(宮崎市)、南横市(都城市)
※日本損害保険協会調べ
ワースト10のうち8つが宮崎市の交差点となっています。
その宮崎市の交差点を地図で見てみると、ワースト1位が大塚町の西の原交差点、ワースト2位が江平、それに瀬頭などと続いています。

こうした交差点ではどのような事故が起きやすいのか、そしてどのような対策が取られているのでしょうか。
交通事故が発生しやすい交差点の特徴、そして、その対策とは。
交差点でヒヤリとしたことは
<質問>交差点でヒヤリとしたことは?
(県民)
「(車が)ウィンカーを出さずに曲がってくるときがあって、青信号で渡っていたが、その時がちょっと怖かった」
「そこの交差点に止まっていてバスは直進なのに、なんか急に(隣の車が)曲がってきて、
左折してきた」
去年、県内で発生した人身事故は4461件。その半数近くが、交差点で発生しています。

ワースト1位 西の原交差点(宮崎市大塚町)
去年1年間で発生した交差点での人身事故の件数ワースト10のうち8か所が宮崎市。最も件数が多かったのが大塚町の西の原交差点です。

(税田奈緒子記者)
「道路がクロスしているだけでなく、このように大通りから枝分かれしています。そういったところで車が前に進まない様子も見受けられます。
あ~邪魔していますね。前の車が・・・」
取材を進めるとさまざまな問題点が見つかりました。
(税田奈緒子記者)
「白線を超えたところで停車している。と言っても、白線も消えかかっていて、ほとんど見えないですね・・・」
ほとんど見えない停止線(※1)。うす~くなった「止まれ」の路面標示。

さらに、青信号で右折しきれず、交差点内でバックする車も・・・
この交差点では、去年1年間で追突や衝突による人身事故が9件発生しています。
(近くの店の従業員)
「右折する車が直進車とぶつかって横転している状態(があった)。衝突事故は多いですね」
※1・この停止線は、その後、県警が白線を塗り直し、改善されました。(参考記事:2022年4月17日「危険な交差点 消えかかっていた停止線が改善」)
ワースト常連 宮崎市役所前交差点
一方、こちらは宮崎市役所前の交差点。
去年の人身事故の件数は県内ワースト7位で、その前の年はワースト1位で
した。

(宮崎県警察本部交通部 池田健二統括官)
「車以外に自転車、歩行者も非常に多くなっている。交通量が多いということは、その分事故のリスクも非常に高くなっている状況になる」
新たな対策 車線ごとに誘導
こうした中、宮崎市役所前の交差点では、先月からある対策が取られました。
以前の交差点は右折専用の車線のみが色分けされていました。
それが、先月からは直進は緑色、右折は赤色で色分けされ、車線ごとに誘導する線が標示
されました。
比べてみるとその違いが分かります。

例えば、車が交差点を直進する時、緑色のレーンをたどることで車線が少し曲がっているのがわかりやすくなり、車同士の接触事故を防ぐ効果が期待できます。
(県民)
「視覚的に、レーンに気を付けるという意味ではいいのかなと(思う)」
また、交差点に入る手前の路面には「追突注意」の標示が加わり、速度の抑制を促します。
(宮崎県警察本部交通部 池田健二統括官)
「交差点内のカラー舗装によって、直進車と右折車の進行方向がわかりやすくなり、交差点内の接触・衝突事故の減少が見込まれる」
改めて交通ルールの遵守を
入学や異動など人の流れが多くなるこの時期。
ドライバーも歩行者も改めて交通ルールの遵守が求められます。

(宮崎県警察本部交通部 池田健二統括官)
「改めて、車を運転する際は、しっかり前を向いて、緊張感をもってハンドルを握ってもらい、また、子供などの歩行者に対しては、やさしい思いやりのある運転に心がけてもらいたい」
※MRTテレビ「Check!」4月6日(水)放送