宮崎県川南町で計画されていた新しい中学校の建設計画が白紙に戻りました。
13日の町議会で中学校建設の計画を廃止する議案が賛成6、反対5のわずかな差で可決されました。
(垣内沙耶記者)
「新中学校をこの場所に新設する計画について、13日、町議会がどのような判断を行うのか注目されます」
川南町では、少子化に伴い、町内にある2つの中学校を統合し、57億円余りをかけて新たな中学校を建設する計画が決まっていました。
こうしたなか、4月に行われた町長選挙で建設計画の中止を掲げ当選した東 高士町長は、6月定例議会に、計画を廃止する議案を提案していました。
6月議会は、13日、採決を迎え、およそ30席ある傍聴席はほぼ満席に。
採決の前には、議長をのぞく議員11人が建設計画に対する考えを主張しました。
(河野禎明議員)
「10年ここで辛抱して、資金を貯める。いろいろ無駄なものもちゃんと節約して、10年間準備して、そして小中一貫を目指すことも私は考えるべきだと思います」
(小嶋貴子議員)
「(新中学校には)人口減少、少子高齢社会が進む中で、町の将来を今何とかしなければという工夫と思いが詰まっています。今後注目されるバリアフリーや多様性を重んじる視点にも触れられています」
(議長)「賛成の方は起立願います」
採決の結果は、賛成が6で、反対が5。
建設計画を廃止する議案は、わずかな差で可決され、計画は白紙に戻ることになりました。
(川南町 東 高士町長)
「統合すべきだという意見が強ければ、統合に向けて協議する。安全安心が担保できるかどうかというところまで踏み込んだ協議をしていかないといけない。計画を推進していた人たちにも、わかっていただくように努力をして説明をしていかないといけないんじゃないかなと私は思っております。」
新たな中学校の建設計画廃止をめぐっては町民の間で意見が割れていて、東町長は今後、2つの中学校を統合するかの協議と町民への説明を進めていきたいとしています。