保育士の労働環境についてです。
こちらをご覧ください。これは、1人の保育士が子どもを何人まで保育できるかを定めた国の基準です。
保育士の配置基準といわれるものですが、保育士1人に対し、0歳児は3人まで、1歳と2歳児は6人まで、3歳児は20人まで、4歳と5歳児は30人まで保育できるとされています。
(親1人で子ども1人をみるのも大変なのに、1人でみる子どもの数は多いのでは・・・)
こうした現在の配置基準について、県内の保育士にアンケートを実施したところ、9割以上が見直しを訴える結果となりました。
「みやざき保育幼児研究センター」が、県内の保育士に対して行った配置基準についてのアンケート。
先月から今月にかけて、689人から回答を得ました。
この結果、9割以上にあたる632人が保育士の配置基準見直しを訴える結果となりました。

「今の配置基準では、事故やけがが起きないように過ごすだけで精いっぱい」
「現場は忙しく余裕がない」
一方、「変更した方がいいと思うが、職員確保が難しくなる状況が出てくるのが不安」という声も寄せられました。

(現役保育士の女性)
「命を守るために精いっぱいというのは確かにありますね」

こう話すのは、宮崎市で、8年間保育士として働く女性です。
すべての年齢の保育を経験しているこの女性は、特に1人で6人をみる1歳児が大変だと訴えます。
(現役保育士の女性)
「(1歳児は)自分で着替えだったり靴を履いたりすることがやっぱりまだ難しい年齢なので、自分の私物ていうのもまだ分からないので、補助がかなり必要になってくる年齢になるので、まだちょっと、ここを特にやっぱり1人に対し6人というのは変えてほしい」
また、自分でできることが増える4歳、5歳児についても・・・
(現役保育士の女性)
「(4・5歳児は)やっぱり言葉で伝えると伝わりやすいという部分はあるんですけど、手厚い保育をするとなるとやっぱり30人で1人というのはやっぱりきついかなというのを感じてます」

アンケートを行わった「みやざき保育幼児研究センター」の代表で、南九州大学の山田裕司准教授は、特に4歳・5歳児の配置基準は、1948年以降、70年以上変わっていないとして、時代に合わせて見直すべきと主張します。
(みやざき保育幼児研究センター 山田裕司代表)
「(最近)保育士に関係した不適切な保育という話題が多く出てきおります。そういった配置を変えることによって保育士さん達が子どもを見る余裕が少し生まれるのかなと思ってます。昔はできたから今もできるよねという発想は少し私は変えてほしいなと思ってるところです」

「みやざき保育幼児研究センター」は、引き続き回答を募集していて、この結果を国や県に訴えることで、保育士の労働環境の改善につなげたいとしています。