インフルエンザが流行する中、有効な対策の1つが予防接種ですが、注射が苦手、という方も多いのではないでしょうか。今、「痛くない予防接種」が注目されています。どんなものなんでしょうか。
宮崎市の「さとう小児科」。今月からインフルエンザワクチンの接種が始まっていますが、この日、子どもが受けたのは、注射ではありません。
鼻にスプレーするタイプのワクチン「フルミスト」です。

その最大の特徴は「痛くないこと」
(小学3年生)「注射よりかは痛くなかった。」
(親)「注射はやっぱり嫌がるので、痛がるし、その分フルミストだと、受けてくれるので、嫌がらず、こちらを選んでいますね」
(小学1年生)「鼻が最後ムズムズしたけど、注射よりかは痛くなかったから、こっちの方がいいかなと僕は思いました」
(親)「注射はどうしても針を刺すので、泣かないにしても痛みがあるので、痛みが少ないフルミストの方を選びました」
「フルミスト」は、弱毒化したインフルエンザウイルスを使った生ワクチン。
左右の鼻に1回ずつスプレーし、粘膜で免疫が作られます。
(さとう小児科・佐藤潤一郎 院長)「生ワクチンだから、従来の不活化よりかは長く持つ・効くのではないかと期待されています。ちなみに今のところは従来の注射とフルミストとの効果は同等と言われています。」

去年から国内での接種が可能になったこのワクチン。対象は2歳から18歳までで、接種回数は、注射の場合、13歳未満は2回を推奨されていますが、フルミストは1回で完了します。ただ、自由診療のため、価格は病院ごとに異なり、8000円前後と、注射の2回分ほどになっています。
それでもさとう小児科では、去年およそ15%だったフルミストの選択率が、今年は半数に上るなど、需要が高まっています。
一方で、注意点も・・・
(さとう小児科・佐藤潤一郎院長)「過去に喘息の発作とかを起こしたお子さんたちは、接種に関しては十分な注意が必要ですし、そういったお子さん方に関してはやはり、接種する先生と相談しての接種の判断になるかなと思います。」
昨シーズンより1週間流行期に入ったインフルエンザ。
注射が苦手な子どもにとって、フルミストは大きな選択肢となりそうです。
一方で、フルミストは取り扱いのない病院もありますし、持病による注意点もありますので、かかりつけ医に相談したうえで、家族に合った予防法を選んでください。