国内最大級のふるさと納税サイトが毎年発表している「ふるさとチョイスアワード」で、10月、宮崎県小林市の職員が最高賞を受賞しました。
受賞のポイントとなったのが「訳アリ商品」です。
フードロス削減という地域課題の解決へつながる取り組みが評価されました。
ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」が、10月、発表した「ふるさとチョイスアワード」。
今年の「自治体職員部門」の大賞に小林市職員の佐藤友和さんが選ばれました。
評価されたポイントのひとつが、「訳アリ商品」の活用です。


(小林市地方創生課・佐藤友和さん)
「コロナ禍でなかなか商品が思うように動かないという話も聞きましたし、製造の中でロスが出るという話も聞きましたので、ふるさと納税という取り組みを通じて、このフードロス問題に関心を持ってもらうというのが狙いとしてあります」
小林市は、ふるさと納税の返礼品として様々な訳アリ商品を取り入れました。
製造過程で発生した様々な部位をミックスした宮崎牛に、形が少しだけ悪いものもあるが量を多くしたハンバーグ。
これらを「コバヤシB印」と名付け、返礼品としました。



こちらの会社でも「コバヤシB印」が生産されています。それが、ロールケーキの切れ端などを詰め合わせたセット。
これまで廃棄されていたものを返礼品に活用しています。

(APP 方森亜弥香さん)
「せっかく作った商品が破棄されるものではなくて、ふるさと納税として食べていただけるということで、作り手として従業員一同みんなとても喜んでいます」


こうした訳アリ商品を集めた返礼品は大ヒット。
このほか、市が事業者に対し返礼品についてのアドバイスするなど連携を深めた結果、昨年度の寄付額は前の年度の2倍以上に上る14億円を突破しました。
(小林市地方創生課・佐藤友和さん)
「ふるさと納税に関しても他の自治体とも競争がすごく激しくなっていますので、ほかの自治体がしないようなこと、そういったものをどんどん先手を打ってやっていく必要があるので、そういうところでもメリットを見出せる」
「コバヤシB印」の取り組みは、ふるさと納税以外にも広がりを見せています。
市内のスーパーには、「コバヤシB印」を利用した見切り品コーナーが登場。
市全体でフードロス削減への機運が高まっています。

(小林市地方創生課・佐藤友和さん)
「地域をどうやってこのふるさと納税をツールにして持続するような街にしていくかというのを意識した取り組みが必要になると思いますので、そういった地域の将来をしっかりと考えながら事業の方を進めていければなと思います」

納税者が地域を応援するため導入された「ふるさと納税」。SDGsにもつながる取り組みへと進化しています。