性感染症の一つ「梅毒」の宮崎県内の感染者数は3年連続で100人を超え、今年は過去最悪に迫るペースになっています。
なぜ、梅毒が増加しているのか、そして、感染するとどのようなリスクがあるのか、医師に聞きました。

梅毒の感染者数は全国的に増加傾向で、県内では、おととしに116人、去年は過去最多の175人の感染を確認。そして、今年は、今月15日時点で114人と、3年連続で100人を超え、過去最悪に迫るペースとなっています。

なぜ、梅毒の感染者が急増しているのか、県産婦人科医会の川越靖之会長は要因について

(宮崎県産婦人科医会 川越靖之会長)
「一つは出会いがSNSとかで簡単にできるようになって、不特定多数の方と性交渉される方が増えてきてるんじゃないかという推測はされていますが、明らかにこれといった原因はわかっていないが、そういうことが原因になっている可能性が高い」

また、今年は梅毒に感染した妊婦から胎児に母子感染する「先天梅毒」の患者が1人確認されました。
「先天梅毒」の患者が県内で確認されるのは3年ぶりです。

(宮崎県産婦人科医会 川越靖之会長)
「梅毒の原因となっている細菌は、どの時期でも感染すれば赤ちゃんに感染しやすい。だから、感染力が非常に強いということと、感染してしまうと赤ちゃんが育たなくなったりとか、途中で赤ちゃんがむくんできたりとか、ひどい場合には子宮の中で赤ちゃんが亡くなってしまうということもあります」

川越医師は、インターネット上には梅毒に関する誤った情報が流れているとして、必ず医療機関を受診してほしいと呼びかけます。

(宮崎県産婦人科医会 川越靖之会長)
「この梅毒に適した抗菌薬を長期間飲むというのが治療には必要ですので、そういう中途半端な情報を信じずに、医療機関をうけて治療をしてほしいと思います」

(スタジオ)


梅毒の初期症状は、感染後、3週間ほどでみられ、しこりができたり、リンパが腫れたりしますが、症状が出ない場合や、症状が出て数週間で消えてしまう場合があります。

たとえ、症状が一時的になくなっても梅毒そのものが治ったわけではありません。必ず治療が必要になりますので、医療機関を受診することが大切です。