ようやく完成…提出のために向かった先は

奏さん「よし!完成です…」

完成したカバン

ようやく完成したのは、設計図通りのポケットいっぱいのカバン。中の仕切りは取り外せて、ポーチにもなります。手提げとして使えるほか、リュックとしても使えるデザインです。

カーブを上手にミシンで縫えず苦労していた端の処理は、直線部分だけの処理に変更。それでも遜色ない出来栄えです。

布の端の処理は…

作品に添えるエントリーシートや名札は、奏さんが話した内容をお母さんが書きとって仕上げます。字を書くことが苦手でも、得意なミシンで立派な作品に仕上がりました。

全国コンクールの作品は、学校を通じて提出されます。
奏さんが久しぶりに登校したのは、他の生徒と顔を合わせることがない時間でした。それでも担任の先生は明るく迎えてくれます。

担任「すごーい力作ですね…あ!かわいい!」
奏さん「頑張りました…」

学校に提出する奏さん

先生からの質問に応える奏さんの様子は満更でもないように見えます。

奏さん「カバンを開くと…」
担任「かわいいねこの生地。そしてこの組み合わせは好きだわ。結構いっぱいポケット着けるのは意識したの?」
奏さん「そうですね。たくさんあって困らないと思うので」

学校に通うことが出来ない今、ミシンの作品が学校と奏さんつなぐ架け橋となっています。

完成したカバン

担任「なかなか学校に来れてないけど、オンラインで毎日授業に入り続けるって、そんなに簡単なことではないと思うんです。一番大事なのが、彼女が前向きに活動する事。一年生の時から作品はすごかったと思うんですけど、それ以上に彼女の成長というのを感じる場面というのが私も話していて増えてきているので、学校で仕事をする身としては寂しい部分もあるけど、彼女の頑張りを見れることはすごく嬉しいことだなと思います」

奏さん「テストとかを受けないとまずいかなというのが今はありますね。ちょっと…コンクールにかかりっきりだったので。将来は優しい感じの、他人に優しく、そんな大人になりたいですね」

猫柄は奏さんのお気に入り

作品作りを通して、学校との向き合い方も徐々に変わり始めている奏さん。新しいことに挑戦した秋の新作カバンは、奏さんの自信にまた一つ繋がったようです。