深紅の枠旗が乱舞する石川県七尾市中島町の「お熊甲祭(おくまかぶとまつり)」が、4年ぶりに通常開催され、長いコロナ禍を乗り越え、威勢のいい掛け声が能登に帰ってきました。

国の重要無形民俗文化財に指定されている七尾市中島町のお熊甲祭は、高さ20メートルもある枠旗が繰り出す秋祭りで、毎年9月20日に行われることから「二十日祭り」とも呼ばれています。

新型コロナの影響で4年ぶりに通常開催となった今年は、天狗の面をつけた猿田彦のかねや太鼓の音が打ち鳴らされる中、各地区から14の枠旗が町内を練り歩きました。

午後からは神社を出発した枠旗が熊木川沿いの広場に集まり、枠旗を地面すれすれまで傾ける祭り最大の見どころ「島田くずし」が披露されました。

参加した男性は「本当に4年間できなかった分の思いを込めて今年は最高の祭りができている」と話していました。

今年初めて猿田彦役を務めた男性は「やっぱり太鼓の音色がいい。小さい頃から聞いている音色なのでやっぱり落ち着く」と振り返りました。

活気が戻った集落、参加者はかねや太鼓の音を響かせ、この1年の豊作に感謝していました。