去年6月、金沢市内の交差点で赤信号を無視して自転車に乗っていた西川俊宏さん(当時67)を車ではね死亡させたとして、運転手の長谷川玲子被告(47)と、長谷川被告に信号無視を指示したとして助手席に乗っていた寺崎太尊被告(31)が危険運転致死の罪に問われている裁判員裁判。

寺崎被告は29日、事故当時の状況を「覚えていない」と供述しました。

29日の被告人質問に、これまで後ろで束ねていた髪を切り、スーツ姿で臨んだ寺崎被告。

寺崎被告(スケッチ:大河稜央)

寺崎被告は2年ほど前に酒気帯び運転で免許取り消し処分となってから、アルバイトの長谷川被告に運転手をしてもらっていたといいます。プライベートでも送迎を頼むことがありました。

弁護人
「送迎は無理強いしていましたか?」
寺崎被告
「いえ、それはないです」

寺崎被告は長谷川被告の運転を時々危ないと思うことがあり、注意する場面もあったと話します。

寺崎被告
「危ないと思う時はありました。運転中にハンドルについたケータイでメッセージのやり取り…ケータイ触りながら運転したり、車線変更の時にウインカーつけなかったりとか多かったので。気付いたときは必ず言っていました。『携帯触らんといて危ないから、ちゃんとウインカーつけて』と言ったりしていました」

一方で急いでいる時に、信号の変わり目で進んだり、車線変更をしたりするよう指示をすることはあったと言います。