訓練と現場は違う…救急隊の本音
山下知成 消防士長「心肺停止の方とかであれば血管を探すのが難しいということはよくあることですね」
実際に装置が使われる状況を再現してもらいました。救急車内では、搬送先の病院の医師に確認を取りながら薬剤や点滴が準備され、針を刺す直前に静脈可視化装置で血管の位置を確認します。
石橋弘崇アナウンサー「ここで最新の静脈可視化装置が使われます」
確認後に針を刺すことになりますが、これまでは血管が判別できず針が刺せない事案もありましたが、去年、この装置を1台導入したところ成功率が向上。今年から4台すべての救急車に導入されることになりました。そこには能美市が抱える事情がありました。それは、高度な処置で対応できる三次救急医療機関がないという点。

近藤芳功 消防長「能美市に生まれたということで最善の医療が受けられないとか生まれたところによる格差というのを無くしたい」

去年1年間に、能美市以外の病院へ搬送したのは全体の半数以上の52.6%。金沢市までおよそ40分かかるだけに、一刻を争う救急搬送中の手当が重要です。新たな装置の活用で救命率の向上に期待がかかります。