全国で殺処分の対象となったニワトリなどの数が過去最多の1000万羽を超えるなど、猛威を振るう鳥インフルエンザ。去年11月以降でみると富山県で3例、死んだ野鳥からウイルスが検出されました。石川県内でも金沢市内で1月4日にハヤブサ、8日にはフクロウの死骸からウイルスの陽性反応が出ました。
これら5例全てが感染力が高く、毒性が強い「高病原性」だったということです。県内の生産者にも動揺が広がっています。
MRO久保田修平アナウンサー
「この鶏舎の中に普段は600羽?」
大村さん
「まあ1月越せば、例年は最大150羽くらいしか鶏は残っていないけど…」
取材に応じてくれたのは県内で唯一、七面鳥を育てている生産者・大村正博さんです。
阿岸の七面鳥 大村正博さん
「基本的に七面鳥というのは体は大きいけど、ウイルスに弱いんですよ。鳥の中で1番弱いと言っていいくらい」
地域の特産品“阿岸の七面鳥”として、北海道から沖縄まで全国のホテルやレストランに七面鳥を出荷している大村さん。繁忙期は過ぎ現在、鶏舎にいる七面鳥は子孫を残すために卵を産む種鶏30羽のみですが…。
Q もし感染したらどうなるんですか?
大村さん「…年も71歳なのでもう廃業ですね」
Q 例年これ位、消石灰をまくのですか?
大村さん「今年は多い、100袋ほどまいている。例年であれば10袋ほど撒けばよいが、石灰をまくしか策がないというのが実態」
鶏舎の周りに撒いた消毒用の消石灰の量は例年の10倍。ネコやネズミといった小動物が入らないよう排水管などの隙間を柵で覆いウイルスの侵入を防ぐほか、異常な行動をとる七面鳥がいないか何度もチェックしているといいます。
大村さん
「(もし鳥インフルが出たら)私だけじゃなく、能登で鶏を飼っている人全部に迷惑がかかる。細心の注意を払っている」
過去に類を見ない規模で全国的な広がりを見せる鳥インフルエンザ。生産者にとっては気の抜けない日々が続きそうです。