能登半島地震で、高齢者施設の3割が運営休止を余儀なくされ、その後の石川県外などへの広域避難が利用者のストレスにつながったことを受け、福祉施設での防災計画を見直すための委員会が14日開かれました。

委員会は高齢者施設・障害者施設・児童福祉施設の3つに分かれ、それぞれの専門家や関係者で構成されています。

塗師亜紀子健康福祉部長「関係者の記憶の新しいうちに実体験、教訓も踏まえて業務継続への視点を盛り込んで、防災計画作成指針を見直す」

このうち高齢者施設ではすでにある防災計画に「事業継続」の観点が不足しているとして、委員らが意見を交わしました。

2024年1月の地震では七尾市より北の6つの市町にある92の高齢者施設のうち、28か所が運営休止を余儀なくされ、2025年8月現在で8か所が廃止、2か所で再開のめどが立っていません。

県が行ったアンケートでは、施設関係者から、地域内外の事業所の間に協定がないといった声や、他の事業所と連携した訓練を行っておらず、人的・物的支援の共助体制が不十分といった意見が寄せられたということです。

金沢大学人間社会学域地域創造学類・青木賢人準教授「(事業所同士の)共同の訓練であったり情報共有、人材の相互派遣ということを通して日ごろから連携を強めておくことが、災害発生時の事業継続にとって非常に重要な観点だろうということもあり、今回連携は非常に強く重視している」

委員会は2026年1月中をめどに防災計画の作成指針を取りまとめることにしています。