母・恵美子さんは当初、高校生でラーメン店を始めることに強く反対しました。
母・恵美子さん
「『(全日制の)高校を辞めてラーメン屋になりたい』って言ったけど『高校卒業してからじゃダメなんか』という話はよくした。やっぱり、最初は驚いた」
家族の考えを変えた冴稀亜さんの情熱。

父・政之さん
「親がさせたいことを応援するより、子どもがやりたいことを応援するのがいいかなと思った」
店のオープン当日、初めは反対していた母・恵美子さんでしたが…。
母・恵美子さん
「『お客さん並んでるよね?3人になった、4人になった。大丈夫かな…』とか言いながら。お客さん一人ひとりに『いらっしゃいませ』って笑顔で言うところも、前の冴稀亜だと考えられないというか。夢があって一生懸命努力して頑張ってたんだなって思った」

午前11時から午後9時まで休むことなく営業する、冴稀亜さんのラーメン店。オープンからおよそ2か月、日が落ちてからも客足は絶えません。
店主・荒川冴稀亜さん(19)
「(Q毎日、何時間睡眠)-4、5時間くらい。本当は多分いっぱい寝る体質なんですけど。目標があるので、そのために頑張れるっていう感じです」
授業を終えた高校生の妹・悠亜さんも、厨房を手伝います。

妹・悠亜さん(16)
「冴稀亜の力になれればいいかなと思って。(兄は)言葉だけじゃなくて、ちゃんと行動に移しているところがすごいと思う」
間借り営業時代は1人で厨房を回していた冴稀亜さんですが、自分の店を構えたいま、同世代のアルバイト従業員9人を雇っています。「大変ではないか」冴稀亜さんにこう尋ねると、明るくこう返してくれました。

「全部楽しい。だから全然、大丈夫」
自分のラーメン店を出したいという大きな夢を、19歳にして叶えた冴稀亜さん。その屋号には、次なる野望が込められています。
店主・荒川冴稀亜さん(19)
「店名は『天下一統』という四字熟語からとりました。長い夢はラーメン界で「日本一」と呼ばれるラーメン店になりたい」