冴稀亜さん(2022年・当時16歳)
「ラーメン巡りの時に食べたラーメンを再現しようと思って、家で作っていたら、自分で作ったラーメンを色んな人に食べてもらいたいなと思って、店を出すことを決めた」

「いつか自分の店を出したい」。冴稀亜さんは、高校2年のときラーメン作りに集中するためそれまで通っていた全日制の高校から定時制への転入を決意。その後は学生生活と両立しながらシェアキッチンや古民家などを間借りし、自作のラーメンを提供しながら経験を積みました。


冴稀亜さん(当時16歳)
「(自分の性格は)大胆な感じ。人生長い目で見たときにもっと大胆なことをやってみたいなって。」

あれから3年。冴稀亜さんは、間借り営業時代から使っている「研究ノート」を見せてくれました。独立を決意してからも思い悩んだのは、「自分の味」の確立。ノートには、その苦労の跡が綴られています。

『パッと来ない』『塩辛い』


店主・荒川冴稀亜さん(19)
「頭の中で『こうしよう』というのを描いて、それでやったことを書いて。その感想を書いてそれが1セットで積み重ねていく感じです」

試行錯誤の末にたどり着いたのが、間借り営業時代に評判が良かった「鶏醤油ラーメン」でした。

店主・荒川冴稀亜さん(19)
「間借り営業時代は、週2回とか月に数回の営業だったので、考える時間が多かったけど、今は、毎日、毎日実践なので、そこが大きな違いかなと」



週に1度の店の定休日。冴稀亜さんは、久しぶりに金沢市内の実家へ。束の間の休息を楽しむのかと思いきや…。

Q今日のメニューは
「中華スープと、野菜炒めみたいなものを。」

小学生の頃から大好きだったのが料理。今も自宅へ戻ると、冴稀亜さんが家族に夕食を振る舞うのが荒川家の日常です。


母・恵美子さん
「1か月、店やってみてどう?」
冴稀亜さん
「これからって感じ」
母・恵美子さん
「だいぶ慣れた?」
冴稀亜さん
「うん。」


普段は口数が少ない冴稀亜さん。それでも、開業前から支えてくれた家族への感謝の気持ちは忘れません。

店主・荒川冴稀亜さん(19)
「親の存在は、めちゃくちゃありがたい。お金とか色々な部分で。何かを契約するにしても、まだ一人ではできないことが多いので」