財政調整基金の減少は?3年半前知事選の影響なおも色濃く

市民の将来に備えるための「市の貯金」ともいえる財政調整基金も1つポイントです。

12年前は46億円あったこの財政調整基金の残高が約13億円(8月末現在・見込み)まで減ったことについて、新人 山田さんは「災害時など不測の事態に対応できないとして財政を健全化・透明化すべきだ」と訴えています。一方、現職の宮元さんは基金の減少は行政サービス向上のための先行投資で一時的なもので、「今の局面で基金を活用しないのは市民に向き合った市政運営と言えない」「市の財政は健全だ」と反論しています。

また前回の知事選で、現職の宮元さんは加賀市出身の山田修路さんではなく早々に馳知事の支援を表明し、今も知事に近い存在として知られています。一方、今回山田さんを擁立した市民グループは当初、前回の知事選で馳知事に敗れた山田修路さんに立候補を打診したという経緯もあります。

山田修路さん自身は市長選への出馬を固辞しましたが、知事選から3年半がたった今も加賀市内で禍根が残っているといえそうです。半年後に再び知事選が迫っていることを考えれば、今回の市長選はその前哨戦という見方もできるのではないでしょうか。