5月、金沢駅前で高齢男性が心肺停止の状態で倒れました。
その場に居合わせた金沢市の30代男性が心臓マッサージを施し、命を救ったとして、8日消防から表彰を受けました。
油仁一(あぶら・じんいち)金沢市消防局長「傷病者を適切な処理により救命した功績は誠に大なるものである」

8日、金沢市消防局で表彰を受けたのは金沢市在住でドローンを使った事業を県内で展開する会社役員の高田光星(たかた・こうせい)さん(31)

救命活動に貢献したとして金沢市消防局が民間人を表彰するのは今年度初めてです。
高田さんは今年5月9日の午後6時ごろ、帰宅途中に金沢駅の金沢港口にあるベンチ前で金沢市の70代男性が心肺停止の状態で倒れているのを発見

男性の家族のうちの1人が通報しながら片手で心臓マッサージをしているのをみて、すぐに駆け寄ったといいます。
高田光星さん「まず助けたい気持ちが第一で(家族の)心臓マッサージがそこまで上手にされてなかったので、自分なら助けられると思い心臓マッサージをした」
高田さんは前職での経験から救命措置の知識を持っていたため、男性の家族に代わって正しい心臓マッサージを施しました。
またすぐに家族にAEDを持ってくるよう指示し、消防が来るまで懸命に措置を続けました。

消防は通報からおよそ5分後に到着しましたが、高田さんは…
「体感では10分から15分間やっているように感じられた。マッサージを続けても意識が戻らず心配だった」
しかし高田さんの素早い措置が功を奏し、消防の到着後、AEDによる蘇生で男性は呼吸が戻りました。

金沢市内の病院に搬送された男性は、その後、意識を取り戻し、6月に退院したということです。
高田光星さん「傷病者が社会復帰できたと聞いてすごく嬉しい。男性を救えたのは発見してすぐ行動する勇気一つだった。人の命を助けることが今までの人生でなかったので大変嬉しい」

金沢市駅西消防署・石川勝(いしかわ・まさる)署長「高田さんの勇気ある行動が傷病者の社会復帰に大きく影響を与えた。消防が着くまでの間に処置してくれるのはありがたい。処置のやり方は全く分からない人は周りに人に声をかけて欲しい。分かる人が必ずいるので助けてと声かけを」

消防は、より多くの人に救命措置を身に着けてもらおうと、学校や町会などの要望に合わせて定期的に無料の救命講習を開催しています。
消防はイベントに参加することで、日頃からの救急対策を呼びかけています。
