3月3日。
下唐川地区にある八坂神社の「春祭り」の日です。
集会所では「春祭り」の準備が行われていました。

この祭りでは、もち米で作った団子を神社にお供えすることになっていて「だんご」がなまって「だごだい祭り」とも呼ばれ、受け継がれています。

唐川地区の女性は、「仮設住宅に住んでてまだ家の再建はできていませんが少しずつ今までの日常に戻っているのでうれしい」と話します。
団子の準備作業の中にも伊藤さんの姿がありました。
地区が大切に守ってきた伝統文化を体感したいとの思いからです。
下唐川地区の女性は、「(だんごが)同じ大きさになるように丸めてこの箱に入れて」とアドバイス。またほかの女性からは「2個、3個いっぺんにつくれるよ」「母の時代はそうしてたよ」と離れ業を紹介します。伊藤さんたちは「確かに2個いっぺんに作れますね」と楽しそうにだんごづくりに挑戦していました。
伊藤さんは「今後も祭りを続けていくとなると若い世代の私たち大学生などが受け継いで行けたらいいと思う」と語ります。
春祭りでは、お祓いの後、あんこに包まれた団子が配られ、住民らは2年ぶりの開催に安堵と喜びをかみしめていました。
伊藤さんを指導する金沢大学 地球社会基盤学系 建築計画研究室の藤井容子准教授は「本当にやりたかった夢の溢れる案では無くなったけど多分住民の方のことは本当に一生懸命考えて彼女なりの提案をさせていただいたかな」と伊藤さんをねぎらいます。伊藤さんも「他にも選択肢はあったのかなと思うが現状できる分ではやりきれたかな」と充実感をにじませます。
