北陸新幹線の敦賀より西のルートをめぐる問題について、交通政策の専門家が29日金沢市内で講演し、小浜ルートありきではなく米原ルートも選択肢の一つとして、しっかりとした議論をする必要性を強調しました。
北國新聞政経懇話会には、京都大学の中川大名誉教授が講師として招かれ、北陸新幹線の未着工区間のルートについて、京都で大きな影響力を持つ仏教会が反対の意向を強く示したことで、新たに京都を通るルートの可能性はほぼないとの見解を示しました。

その一方で、米原ルートを想定した場合に懸念されるのが、東海道新幹線への乗り入れによってダイヤが過密になり、必要な運行本数を確保できないのではという点です。中川名誉教授は次のように持論を展開しました。
京都大学・中川大名誉教授「米原ー新大阪間の場合は「ひかり」「こだま」に乗っている人があまりいなくて、ほとんどが「のぞみ」に乗っているので、「のぞみ」の本数を確保したまま「ひかり」「こだま」が走っている時間帯に北陸新幹線が1時間に2~3本入ってくるということは、ダイヤ上必ずできるはず」
沿線自治体を巻き込んだ北陸新幹線のルートをめぐる議論は、さらに熱を帯びそうです。