金沢に住む“若い打ち手”指導…「あの場所が好きなんで」
御陣乗太鼓保存会 槌谷博之さん
「ここに一人で。料理はできないですけど、炒め物とか簡単なものだけ」
槌谷さんの名舟町の自宅は「準半壊」。両親と妻の4人で住んでいましたが、今はみなし仮設住宅など別々に暮らしています。金沢駅での公演から2週間後、25年間務めた会社を退職しました。
御陣乗太鼓保存会 槌谷博之さん
「(公演依頼の電話が相次ぎ)仕事にならないんで…ここは思い切って辞めた。先考えずにまあ何とかなるわい、という感じ」
御陣乗太鼓の活動に本腰を入れるという、槌谷さん。金沢に住むことは悪いことばかりではないとポジティブにとらえます。
御陣乗太鼓保存会 槌谷博之さん
「名舟町出身で金沢に住んでいる若い子たち、何人かいるんですよ。声をかけて太鼓の練習やってます。その子たちは小学校1年の時からずっと社会人になるまではやってましたから」
地元に戻らず別の場所に移る住民もいる中、槌谷さんは腹を決めています。

御陣乗太鼓保存会 槌谷博之さん
「戻ります戻ります、戻るつもりでいます。あの場所が好きなんで。やっぱりこっちにいたら寂しい、海が見えないし。ニュースでワカメが今年は豊漁ですと出ていたら、俺も採りにいきたいって思うんですよ、やっぱり…」
“いつかは必ず名舟に戻る”
地元を離れても、薄らぐことのない望郷の思いが太鼓の音を鳴らし続けます。