高校入試が迫る緊張感のなか「私たちを襲った震災」
冬休みに入り、入試が迫りくる緊張感を感じながら迎えた年明け。1月1日能登半島地震が私達を襲いました。水や電気が止まり、普段通りの生活ができない。それだけでなく、休校により、3学期が2週間も短くなったことは、受験生の私達にとって大打撃でした。「勉強できない」焦りや不安が募る中、私達を力づけてくれたのは、やはり「やればできる」という言葉でした。あれこれ考えても何も変わらない。「前を向いて、とにかく行動しよう。やればできるんだ」と自分に言い聞かせそのとき自分ができることを精いっぱいやりました。
学校が再開し、先生方や仲間と再び会うことができたときの気持ちは忘れられません。決して順調とは言えない、上り坂のような3年間。その分、気づかされたことがあります。それは私達を支えてくれる人のありがたさです。

例えば、私達の不安を吹き飛ばすエネルギーで学校祭を盛り上げてくれた後輩のみんな。コロナによる制限の中、通常通りとはいかない。難しい状況でも、修学旅行や部活動の大会など、私達に様々な経験をさせてくださった。先生方や職員の方々。地震の後も変わらず、通学路に立ち、登校時の安全を守ってくださる、地域の方々。そして、ときに喧嘩をしながらも、ここまで育ててくれた家族。地震という困難の中でも、私達が自らの道を進めるよう、支え、励ましてくれました。
この中学3年間の長くて急な上り坂を登り切れたのは、自分1人の力ではありません。何度も転びそうになったけれど、そのたびに支えてくれた全ての人たちの力があったからこそ、136名全員が、今日のこの日を迎えられました。今、心からの感謝を込めて伝えます。本当にありがとうございました。
そしてもう一つ、私達が忘れてはならないのは、能登半島地震を経て気付かされ
た。当たり前への感謝です。お風呂に入れること。自分の家のベッドで眠れること。学校に来て、友達とたわいない話で笑い合えること。地震の前まで当たり前だったことも、今はとても嬉しく、生きていることへの感謝が溢れてきます。この先、私達が歩んでいく道には、更なる困難が待ち受けているでしょう。きっと平坦な道ではありません。
だからこそ、私達はここに誓います。どんな困難にも諦めず立ち向かい、前を向いて歩いていくことを。支えてくれる方々への感謝。今生きていることへの感謝を決して忘れず、希望を持って進んでいくこと。
令和6年3月8日卒業生代表小田雄斗