“ワーストシナリオ”を上回る「M7.6」流体が引き金に

2024年1月1日に発生した能登半島地震では、輪島市と志賀町で震度7を記録。東日本大震災以来となる大津波警報が発表され、能登地方では場所によって高さ4メートルほどの津波が押し寄せました。

能登半島地震について、地震調査委員会は2月、沖合にある複数の断層が連動した可能性があるとする見解をまとめました。研究者が指摘していた海底活断層です。

研究者にとっても、M7.6という規模は驚きでした。西村教授は「M7クラスというのは十分ありうると思っていても、M7の前半だった。正直、M7.6というのはワーストシナリオをさらに上回る規模だった」と明かします。

シンポジウムで珠洲市民に警戒を呼びかける西村教授 2024年1月の能登半島地震後の取材には「ここまで警戒しないといけないと強くは言えなかった」とこぼした=2023年6月4日、石川県珠洲市

スロースリップは大地震の原因だったのか。西村教授は、今後も解析を続ける必要があるとしたうえで「海底活断層に元々、地震を起こすようなエネルギーが溜まっていて、群発地震や流体が最後の一押しになった可能性がある」といいます。