当時6歳の姪(めい)に強い暴行を加えて死亡させたうえ、コンクリート詰めにした遺体を民家に遺棄したとして、傷害致死と死体遺棄の罪に問われていた叔父の男(42)に、大阪地裁は3月13日、懲役8年の判決を言い渡しました(検察側の求刑は懲役12年)。

▼弁護側は情状酌量を訴え“異母姉や父親から育児を押し付けられた”

 飯森憲幸被告(42)は、▽2006年12月下旬から2007年1月上旬までの間に、当時の自宅(大阪市平野区)で、姪の岩本玲奈さん(当時6)に対し、顔面を殴ったり腰を蹴ったりする暴行を加え、外傷性ショックで死亡させた傷害致死の罪▽2024年11月ごろ、衣装ケースにコンクリート詰めにした玲奈さんの遺体を、八尾市内の住宅(被告の転居先)に遺棄した死体遺棄の罪に問われていました。

 八尾市内の住宅を被告が退去し、管理会社からの通報を受けた警察官がケースを解体し遺体を見つけたことで、事件が発覚。玲奈さんの遺体は、約18年にわたりコンクリート詰めにされていたとみられます。

 これまでの公判で、飯森被告は起訴内容を認めています。

 弁護人は、“異母姉(玲奈さんの母親)や父親(玲奈さんの祖父)など、家族から玲奈さんの育児を押し付けられた側面があった。

 死亡に至った暴行も、玲奈さんが仏壇のお供え物を食べたことに立腹したことによる、衝動的な犯行だった”という旨を主張。
情状酌量を求めていました。


▼“父親がコンクリ詰めを提案”検察は懲役12年を求刑

 これまでの公判での被告人質問で、飯森被告は“”玲奈さんのことは可愛くて、大事な子だと思って接していた”という旨を供述。

 暴行については、“玲奈さんを学校に行かせる準備や、祖母の介護などによるストレスが入り組んで爆発してしまった”という旨を述べました。

 また、遺体遺棄の経緯をめぐっては、“父親(玲奈さんの祖父)から、遺体をコンクリートで固めることを提案された”と説明しました。

 飯森被告の父親も、死体遺棄の疑いで書類送検されましたが、不起訴となっています。

 検察官は「怒りにまかせた暴行は執拗かつ苛烈。いらだちを募らせ暴力をエスカレートさせたのであり、偶発的な犯行ではない」などとして、懲役12年を求刑していました。


▼“非情な暴行だが、衝動的な部類” 判決は懲役8年
 
 大阪地裁(伊藤寛樹裁判長)は3月13日の判決で、「脇腹を強い力で蹴りつけて内臓をつぶれさせ、体内に多量の出血を生じさせたなどという非情な暴行で、悪質。いたいけな子どもに容赦のない攻撃を加えて命を失わせた点に着目し、社会が見過ごしてはならない事態が生じたととらえるべき」と糾弾。

 一方で、「本件同様の強い暴行を従前から被害者に加え続けていたわけではなく、十分な食事をさせないなどの監護放棄もなかったと認められる。本件暴行は衝動的な部類に含まれるもので、長期間または多数回にわたり被害者を虐げていた犯行ではない」と指摘。

 「遺体が伝える情報以外に事件の全貌を表す証拠が乏しい中、遺体発見に基づいて始まった警察の捜査に対し、被告が進んで罪を認め、詳細を説明し、責任と向き合う姿勢を公判廷でも貫き反省している」として、飯森被告に懲役8年を言い渡しました。