
「いい景色ですね」
「そうでしょう。紫尾山を背景にして」
さつま町に暮らす原田紀史さん(84)です。原田さんの叔父にあたりますが、7歳年下です。

平成28年に閉校した旧平川小学校。紫尾山の麓にあるこの場所は、2人の母校です。
(原田紀史さん)「魚とったり、夏は真っ黒く焼けて。勉強だけは頑張れよということは言っていた。いつ何時でもそれが武器になるからと」

原田さんは研究の合間を縫って月に2回、父親の診療所の手伝いのため、ふるさと宮之城にも帰ってきていました。その度に一緒に酒を酌み交わしていましたが。

(原田紀史さん)「突然、水俣病について話してくれた。だいぶ酔っていたけど。水俣病は決して公害問題だけじゃないんだと。差別の問題も含まれていると。やっぱり弱い立場、差別されるところに公害は発生するんだと」