高知県梼原町の環境への取り組みのシンボルとして四国カルストに建つ風車。今年、新たな風車に生まれ変わり、このほど本格的に稼働し始めました。

雲の上のまち、梼原町。面積の91%を森林が占める小さな町は、その豊かな自然を生かして、環境に配慮した取り組みを積極的に進めてきました。1999年、四国カルストに町単独で風力発電所を建設。大きな2基の風車は、梼原町のシンボルとしてクリーンなエネルギーを生み出し、売電した利益は森林の整備や、町民が自宅に太陽光発電を設置する際の補助金として使われてきました。これまでにおよそ5万8000MWh(メガワットアワー)の電力を発電し、売電額が8億円を超えた風車は去年6月にその役目を終えました。今年3月、ドイツから、新たな風車がやってきました。大きさは1.3倍。発電量は、これまでの2基を合わせた量の1.4倍です。


須崎港に到着してからおよそ1か月後。新しい風車がようやくその姿を現しました。発電した電気を通すケーブルの工事や安全に運転するための試験を繰り返し行い、26日、ついに本格稼働の日を迎えました。

高さおよそ100メートルの大きな風車は、脱炭素社会を目指して一歩進んだ取り組みを進める梼原町の新たなシンボルとなることが期待されます。


(梼原町 吉田尚人 町長)
「感無量です。本当に長い間検討しながら途中いろんなこともありましてね、きょうの日を迎えられたのは本当に多くの皆さんのご協力、ご理解があっての事だと思いますしほんとにこの日が無事迎えられましたことを心からうれしく思います。元気いっぱい風を受けてぐるぐる回ってくれて、そのことによって町民のみなさんが幸せになっていく、このことがこの社会の幸せにつながっていく、また地球温暖化(の防止にも)貢献できる、そんなふうなことを期待しているところです」