4年ぶりの通常開催となった今年のよさこい祭り。大学時代、コロナ禍で参加できなかった人たちが全国から集まり、初めての参加を果たした新チームの姿を追いました。
今年初めてよさこい祭りに参加するクラブチーム=「夏帰鳥~なつきちょう~」。チームを作った脇愛子(わき・あいこ)さんは、兵庫県出身。高知大学の学生チームの踊り子や学生よさこい大会の運営委員長としてよさこいに関わり、就職後、そのまま高知に移住しました。チームを作ったきっかけの一つは新型コロナ。大学時代に所属していたよさこいサークルの仲間が高知のよさこい祭りに参加できなかったことです。
(脇愛子 代表)
「私の年代の子たちは卒業してから踊ろうと思っていたよさこいが踊れない3年間が続いた。その子たちが帰ってこられるよさこいチームを作れたらいいなと思ったのがきっかけ」
チームの踊り子はおよそ60人。高知のよさこい祭りを経験できなかったサークルの後輩が多く、卒業後、地元に戻ったり就職で高知を離れたりしています。あの時出られなかった、本家・高知のよさこい祭り。それぞれの思いを胸に練習に励みます。
(滋賀から参加 岩田和弥さん)
「大学4年でちょうどコロナが直撃して3年間ずっとやってきたけど大学4年、最後の夏が踊れない。就職して1年目の夏も踊れないっていう状態で(踊りたいという)思いはあった」
(静岡から参加 後藤彩華さん)
「高知から離れて全然踊れてなくて、静岡でチームを探すのも大変だし、育休を取って時短での仕事を始めたので夕方練習に参加できる今年くらいは頑張ってみたいと思い参加した」

初めての合同練習の日がやってきました。
(脇愛子 代表)
「初めて会う人もいっぱいいるので、結構出席率もきょうは高くて初めて夏帰鳥というチーム全体を見られる日なのかなと思って楽しみにしてきた」
さまざまな学生サークルの経験者が集まっている夏帰鳥。同じチームだった仲間との再会や、これまで画面越しだけで話していた相手との初めての対面に笑顔があふれました。
(宮崎から参加 鈴木友里愛さん)
「(高知に来るのは)去年本祭(特別演舞)を見に来て1年ぶりくらいです。いやもう久しぶり、変わってなさすぎてうれしいです本当に」

この日の練習には、東京や大分、宮崎などからおよそ40人が参加しました。踊り子が19都府県から集まるとあって、全体練習ができるのはこの日と本番前日の2日間だけ。限られた時間の中で、隊列を組んで進む感覚をつかまなければいけませんが…
(インストラクター)
「AとBの距離めっちゃよかったのでそんな感じで!イエー!めっちゃ仲いいな!みんな」
初めて集合したとは思えないクオリティで仕上げていきます。踊り子も裏方も、手探りで練習を続けてきたチームですが、この日一堂に会したことで、その答えが見つかったようです。
(よさこい初参加 緒方悠人さん)
「隊列練習っていうのが初めてなので『このメンバーで、この隊列で、この並びで、この速さで帯屋町を通るんだ』ってすごくイメージがついてすごい楽しみです」
久しぶりの高知で、久しぶりの仲間とよさこいを踊れる喜びを実感した踊り子たち。本番への期待も高まります。
(滋賀から参加 岩田和弥さん)
「(高知の夏は)やっぱ暑いなって思うんですけど気温だけじゃなくて高知に近づいてくるごと、19個トンネルを超えるごとに少しずつ自分の心というかモチベーションも熱くなってきたので、二重の意味で”あつい”ということで」
若き踊り子たちの笑顔が輝く夏は、もうすぐそこまで来ています。

待ちに待った本番当日、ですが…県内は台風6号の影響で大雨に。夏帰鳥が最初の演舞を予定していた高知大学演舞場は中止となり、急きょ、旭演舞場での演舞が踊り初めとなりました。

(脇愛子 代表)
「1会場目踊れなかったので何かちょっと変な感じがしますけど、今ちょっと晴れてきたのでこのまま晴れてほしい」
踊り子も荒天の中、全国各地から駆け付けました。
(岡山から)
「高知来たらすごい急に降り出してこれで踊れるのかなと思ったけど踊れるみたいでよかった」
(名古屋から)
「(飛行機)飛ばなかったですね。大阪に後輩がいたのでその子らが来るまで行くと言っていたので、大阪まで新幹線で行ってそこから一緒の車で何とかたどりついた」

夏帰鳥の夏が、始まりました。

(よさこい初参加 緒方悠人さん)
「すごく何か…高知に来てよかったな、よさこいに関われてよかったな、このチームで踊れてよかったなとすごく感じた」




(脇愛子 代表)
「県外から高知にとよさこいが大好きな若者が戻ってきて高知にいい『兆し』が届きますようにと思いをこめて高知にやって来ました。最後の演舞、輝く笑顔、どうぞお楽しみ下さい」





