15日、16日の2日間高知市で車いすラグビーの大会が開かれました。パリパラリンピックへの出場を決めた日本代表選手も参加。白熱したプレーが繰り広げられました。

フリーダムカップ2023(15日・高知市)


この大会は日本代表のキャプテンを務める高知市出身の池透暢(いけゆきのぶ)選手が所属する高知の車いすラグビーチーム、フリーダムが企画しました。大会にはフリーダムのほかに東北ストーマーズと福岡ダンデダイオンの2チームが参加。東北ストーマーズは橋本勝也(はしもとかつや)選手と中町俊耶(なかまちしゅんや)選手、福岡ダンデライオンは乗松聖矢(のりまつせいや)選手、そしてフリーダムの池選手と4人の日本代表メンバーも出場し、白熱したプレーが繰り広げられました。

会場では車いすラグビーの体験会も開かれ、参加者はその魅力を体感していました。

体験会に参加した子どもたち


▼体験した子どもたち
「白熱してて思ったよりもすごい感じでした。」
「すごい衝突とかしよってよ、衝撃がすごくて、俺もやってみたい!」
(車いすがぶつかる)
「楽しい。衝撃がきてすごい。一瞬ビクッときてぶつかった感があってめっちゃ楽しい」

アジア・オセアニアチャンピオンシップ決勝(今月2日・東京体育館)

車いすラグビー日本代表は今月2日に東京で行われたアジア・オセアニアチャンピオンシップ決勝で世界王者のオーストラリアを破り、来年のパリパラリンピック出場を決めました。

車いすラグビー日本代表 池透暢キャプテン(高知市出身)


代表のキャプテンを務める高知市出身の池選手にフリーダムカップの前日、テレビ高知のスタジオで話を聞きました。

車いすラグビー日本代表 池透暢キャプテン(高知市出身)


■激闘から2週間 今の気持ちは?
(池選手)
「やっと気持ちの中で少し休めるといいますか、来年に向けてまた本格的に体づくりを進めていこうと思ってますね。ただ今は気持ちの部分でも一度リセットをしてしっかり進んでいきたいなと思っています」

オーストラリアとの決勝戦を振り返って

■オーストラリアとの決勝振り返って
(池選手)
「予選の段階でオーストラリアに2勝していたということもあったんですけれどもやっぱりビッグゲーム、決勝戦で力を発揮してくるのがオーストラリアだったのでその部分はとても警戒をしていましたし、決して勝てるなんて一切思わなかったですけれども勝ち負けよりも最初から最後までケビンヘッドコーチとともにやってきたラグビーを、日本のラグビーを会場の皆さんにお見せするということに集中してやりましたね」

ハイポインターとして注目の橋本勝也選手

■パリパラリンピックに向け若手の台頭光る
(池選手)
「橋本勝也、現在21歳なんですけど、私と同じ会社に所属していまして、彼の成長というのが日本のハイポインター、これまで3人だったんですけれど4人になることによって、4人のローテーションで常にフレッシュな状態でコートに出られるということでそれは1つの日本の武器になったのかなというふうに今大会思いましたし、パリへ向けて若手の成長というのは間違いなく金メダルへ近づく要因かなって思ってます」

競技用車いすは攻撃型と守備型の2種類

■競技用車いす 特徴は
(池選手)
「ここにあるバンパーという部分ですけども、競技用車いす同士がぶつかる時に一番最初に当たる部分で、相手にタックル全力でいくところはこの前のバンパーというところになってますね。車いすラグビーの車いすって2種類ありまして、1つは攻撃型、もう1つは守備型、前がとんがっているような、ひっかけるものが前についてるんですけれども、2種類の車いすを身体の障がいのレベルに合わせて乗りこなしてプレーするっていうことが1つ特徴ではありますね。

試合中のパンクで何度もタイヤを交換することも

「横のタイヤ、ここにもどんどんタックルが当たるので、ほんとにタイヤもゆがんだりもしますし、試合中に5回も6回もパンクしたり。この競技用車いすのタイヤを外してパンクが直ったらタイヤをはめてすぐスタートするというような。選手だけではなくメカニックがいて、メカニックが整備をしてくれるからこそ選手がいいプレーできる。スタッフ・選手ともに協力し合ってやっている競技でもありますね。」

小中学校で車いすラグビーの普及活動も進める

■普及活動への思い
(池選手)
「見る機会を増やす、触れる機会を増やすということで交通事故だったり、先天性の病気だったりいろんな選手がいて、そういう選手たちとの会話の中で子どもたちが持っているコンプレックスみたいな部分に寄り添う場合もあるし、自分たちの生活の部分を知ってもらう中でも子どもたちがそれを自分の身に置き換えていろんなものを感じてもらう、また競技用車いすに乗って一緒に楽しんでプレーすることで心の壁みたいなものもないんだなというところが見えてきたりだとか、ほんとに自分自身もいろんなものを感じながら学校訪問とかは積極的に参加しています」

フリーダムカップで白熱したプレーを繰り広げる池選手

■パリパラリンピックへの意気込み
(池選手)
「リオ大会、東京大会とどんどん応援してくださる方が増えてきた中で、次こそはパリで金メダルを取る姿を見せたいなという気持ちはものすごく強いです。なのでもちろん、パリで金メダルを取る準備をこれから1年間、さらに進めていく気持ちでいますし、結果もそうなんですが車いすラグビー知ってるよ、見たよっていう人をたくさん増やしていく活動もしながら、パリに向けて準備を進めていきたいなと思います」

車いすラグビー日本代表 池透暢キャプテン(高知市出身)

■金メダルを取るために必要なこと
(池選手)
「いつも同じなんですけど、自分をパリで金メダルを取れる、獲得させる選手に自分を育て上げるということが自分の役割かなと思います。それが選ばれるのは12人なんですけども、選手12人がそれをしっかり準備してきて、そこからさらに最終のチームづくりというところで上げていくことがとても大切だなと思っているので、まずは自分自身が金メダル取れるのにふさわしい選手になること、それを目指してやっていきたいです」