2021年、高知市内の高校で教育実習中の女子学生が指導教員の男性からパワハラを受けた問題で、6日に女子学生が高知県庁で記者会見を開きました。女子学生は涙ぐみながら「自分の夢を諦めざるを得なくなった」と話しました。

指導教員からパワハラ「お前は自己評価が高すぎる」

県教育委員会によりますと女子学生は2021年10月から11月にかけて教育実習生として高知市内の高校に通っていました。その際、女子学生は指導教員の男性から大きな声で「お前は自己評価が高すぎる」「教育実習生だから置いてあげている、おらせてあげている」などの不適切な発言があったということです。

教育実習後、女子学生は体調不良を訴え病院を受診。ストレスによる不調で2週間の通院加療が必要と診断されました。6日、女子学生が県庁で会見を開き、涙ながらに当時の心境を語りました。

(女子学生)
「4週間、右も左も分からない私を助けてくれて成長させてくれると思っていた場所は私をどん底に落とした、そんな場所でした。私は教育実習中にどなられた際、泣いていたらここまでひどいことはされなかったのかなども考えました」

「大げさでもなく素直に本気で、私でなければ死んでいても自殺していてもおかしくない、そう思うほどひどい環境でした」

その上で、女子学生は指導教員から受けた不適切な対応について話しました。

女子学生涙の訴え「夢を諦めざるをえなかった…」

(女子学生)
「『ほんまは生徒に見せんけれど単位なさそうやし見せるわ』と実習中に教育実習成績評価表を差し出し『数えきれないほど単位ないぞ、また1か2しかつけられない』と言われ続けてつけられた成績はとても普通につけられた成績とは思えません」

「私は今回のことで自分の夢を諦めざるを得なくなりました。この苦しい思いをするのは私で最後にしたいです。私で最後になるべきです。もう二度と夢を諦めてしまう人が出ないよう今、私が直接、自分の口から事実を伝えるべきと感じました」

県教育委員会は女子学生や他の教員から聞き取りなどを行った結果、指導教員の発言はパワハラにあたると認定しました。指導教員は自己都合で去年3月末に退職しています。

県教育委員会の長岡幹泰(ながおか・もとやす)教育長は、「教育実習生が教員になる夢を諦めざるを得ない状況に追い込まれたことは非常に残念。今後、教育実習が適切に行われハラスメントが起きることがないよう全力を尽くす」とコメントしています。