濃厚な甘さから“柑橘の女王”といわれる「温室せとか」の収穫が、高知県内で始まっています。
香南市や香美市で1月末ごろから収穫されている温室せとか。JA高知県香美地区果樹部せとか部会に所属する10人の生産者が148アールのハウスで栽培していますスーパーなどでこの時期目にする温室せとかですが、もともと高知では栽培されていなかったといいます。
(生産者 野村俊之さん)
「愛媛の国の試験場で開発された中晩柑のミカンです。3月ごろには温州ミカンの赤い実が市場ではないと、何とかその時期に見合った中晩柑を作りたいというのがもとではなかったかと思います」
20年近く温室せとかを生産している香南市の野村俊之さん。安定した気候である瀬戸内とは違い、急激な冬の寒さにさらされる高知では、ハウス栽培という形で定着したといいます。温室せとかは香りが高く、凝縮した味と糖度の高さから、「柑橘の女王」と呼ばれています。

(松岡葵アナウンサー)
「糖度12度の温室せとか、いただきます!ん!甘い!噛む前から果汁が溢れだしているんですよ。ミカンより柑橘系の香りが強いんですけど、とにかく甘いです。口の中が本当にジューシーで幸せって言っています!」
収穫をしている野村俊之さんの長男、圭司さんは、甘さの秘密は水の管理と果物を間引く摘果にあるといいます。
(JA高知県香美地区果樹部せとか部会 野村圭司 部会長)
「水の管理が重要になってくると思います。摘果のときに、ベストなサイズになるように落としています。落としすぎて、実が少なくなると大きくなりすぎて、糖度が伸びにくくなったりということもあるので」
こうした生産者の努力に加え、去年の秋以降は天候に恵まれ、雪の影響も受けなかったことなどから、例年どおりの甘さが凝縮した味に仕上がりました。
収穫量は例年より多いおよそ35トンを見込んでいると言います。
(JA高知県香美地区果樹部せとか部会 野村圭司 部会長)
「ぜひ家族みんなで味わってもらえたら一番うれしいです。一人で食べる分に充分楽しんでもらえるのではと思います」
温室せとかの収穫は今月下旬に最盛期を迎えます。出荷は3月末まで続き、県内の量販店などで販売されているということです。