藏滿助教は2025年の1月、茨城県内の13地点でイヌマキの木を対象に被害を調査
すると、神栖市内の2地点で被害が確認されました。特に被害が顕著な神栖市息栖では、民家の生垣として並ぶイヌマキ18本のうち、13本で被害が見つかったということです。

提供:藏滿司夢助教

◆筑波大学 応用動物昆虫学研究室 藏滿司夢 助教
「驚きました。意識してイヌマキの木を見てみると、明らかに被害が出ているというか…。公民館にたくさん生えているイヌマキが半分以上、枯れていて…。むしろ『なんで、きのうまで誰も気づかなかったんだ?』というくらい被害が出てしまっていて…」

こうした調査・研究を元に藏滿助教は、2025年3月に執筆した論文で、茨城県内のケブカトラカミキリの羽化数を「1000個体超」と記載していました。しかし、11月に取材した時点では、「1万個体ほどに増加しているのではないか」と話していて、今後も被害の拡大が懸念されています。

藏滿助教の論文によりますと、2008年には、千葉県でケブカトラカミキリの侵入と、食害によるイヌマキの木の衰弱・枯死の被害が確認されていたということです。

では、なぜ、本来は鹿児島県や高知県にしか生息していない虫が、千葉県にいるのでしょうか?