藏滿助教は、2020年度~2024年度にかけて神栖市で生物調査を行っていましたが、2021年にとある神社の周辺で撮影した写真を確認したところ、本来は茨城県にいないケブカトラカミキリだとわかりました。

藏滿助教は鹿児島県の出身で、子どものころにケブカトラカミキリを採取したこともあるということですが、写真を撮影した当時は気づかなかったといいます。

提供:藏滿司夢助教

◆筑波大学 応用動物昆虫学研究室 藏滿司夢 助教
「当時は『カミキリムシだな』とは認識していましたが、その場では種名が分からなかったのと、特徴的な模様をしていたので、『写真があれば種類は後で分かる』と思って、虫自体は捕まえずに写真だけ撮って帰りました」

◆筑波大学 応用動物昆虫学研究室 藏滿司夢 助教
「4年経って、写真を見て気付いた時は
『もし定着していたら、まずいな…』と思いました…」

藏滿助教によると、これが茨城県で生息が確認された初の記録だということです。

◆筑波大学 応用動物昆虫学研究室 藏滿司夢 助教
「調べると、千葉県には侵入していることが分かりましたが、『茨城県産昆虫目録』には書かれておらず、『茨城にはまだ入ってきていない』ということになっていたので、これはちゃんと調べる必要があると思いました」

こうして藏滿助教が、茨城県で木の被害状況を本格的に調べ始めたところ、驚くべき光景を目の当たりにしたといいます。