全国で唯一「無痛分娩」の実績が無い高知県で、6月、高知県内で初となる「無痛分娩」が行われました。今後は、高知県内のほかの病院でも実施できる体制を作っていく方針です。
高知大学医学部附属病院では、無痛分娩を行うためのチームを結成していて、6月、県内で初となる無痛分娩を行いました。
無痛分娩とは、麻酔で陣痛などを緩和して出産する方法で、全国的にもニーズが高まっています。しかし高知県内では、産科や麻酔科の医師が不足していることから、これまで全国で唯一、実施できていませんでした。
この状況を打開するため、高知大学と高知県は2025年3月に協定を締結。人材確保に向け、資金面で高知県が支援を行い、麻酔科の専門医を招へいするなど、無痛分娩を安全に実施するための医療体制の整備を進めてきました。
高知大学医学部では、出産経験がありリスクが少ない妊婦を対象に、6月と7月の合わせて2回、無痛分娩を実施し、いずれも安全に終了したということです。

◆高知大学医学部 淀川祐紀 特任教授
「無痛分娩を行った2人とも、すごく表情がよく『前回に比べて全然痛くなかった』と話していました」

少子化が進む高知県で、「安心・安全」な出産の確保は急務となっています。ただ、根本的な“医師不足”は解消しておらず、今後、人材育成に力を入れ、無痛分娩に対応できる医療スタッフを増やしていく方針です。
◆高知大学医学部附属病院 花﨑和弘 病院長
「1例目を終えたときには、非常にほっとしました。最終的には、高知県に無痛分娩を普及させて、どこの地域でもこういう医療が受けられるような体制づくりを推進していきたいと思っています」
高知大学医学部では、8月にも無痛分娩の実施が決まっていて、今年度中には20~30回の実施を目指すとしています。