食品微生物でプラスチックに新たな機能を持たせる素材を開発した高知大学起点のベンチャー企業に、地方銀行などでつくるファンドが投資することが決まりました。ファンド立ち上げ以来、1例目となります。
投資を受けることになったのは高知大学の芦内誠教授が立ち上げたベンチャー企業「PlastiFarm(プラスティファーム)」です。プラスティファームは納豆のネバネバの元であるポリγグルタミン酸=PGAを使ってPGAICという新素材を開発しました。この素材は抗菌作用や、微生物によるプラスチック分解を促進させる作用をもっているといいます。
新型コロナをはじめとする日常生活での衛生管理に加え、プラスチックの製造やリサイクルの過程に活用することで、海洋中でのプラスチック分解を促進し、世界的に問題になっているマイクロプラスチックなど海洋ゴミの減少につながることが期待されています。
具体的なビジネスモデルが見えるようになり、社会的な課題を解決するための将来性もあることなどから、去年1月に立ち上がった、高知大学・高等教育機関が起点となるベンチャー企業を支援するファンドから投資を受けることになりました。ファンドの投資例としては1例目となります。
(PlastiFarm 芦内誠代表 高知大教授)
「”ヒトとモノ“がお互いにつくっていく社会、それは地方から始まるだろうと考えている。そこに貢献していきたいと考えている」
PGAICについては、複数のメーカーと商品化に向けたプロジェクトが進んでいるということです。地方から社会全体の課題解決を目指す企業を支援するこのファンドは、年内にも数件、投資を決めたい考えです。