2024年、レスリングの世界選手権を制した高知県高知市出身の清岡もえ選手がこのほど高知に帰省し、「祝賀会」が開かれました。これまでは、オリンピックを制した先輩・櫻井つぐみ選手や兄の幸大郎選手を“応援する”立場でしたが、「ここからは自分の番だ」と意気込みます。

出席者に拍手で迎えられたレスリングの清岡もえ選手。

2日、世界選手権を制した清岡選手の祝賀会が高知市の料亭で開かれ、県内のレスリング関係者らが、“世界一”を祝福しました。

2024年10月の世界選手権女子55キロ級に初めて出場した清岡選手は、決勝で中国の選手にテクニカルスペリオリティで勝ち、初優勝を果たしました。

高知県勢選手の世界選手権優勝は、2024年、パリオリンピック™で金メダルを獲得した櫻井つぐみ選手に続く快挙で、清岡選手は祝賀会で喜びを語りました。

(清岡もえ選手)
「おととしの世界選手権代表選考会では、プレーオフで負けてしまい、とても悔しい思いをしました。その悔しさをバネに、『次こそは絶対』という気持ちで練習に励んでいました。そして、ずっと憧れていた『シニアの世界選手権』という舞台で最高の結果を出すことができ、とてもうれしかったし、『オリンピックへの一歩を踏み出した』と実感することができました」

高知市出身の清岡選手は、兄の幸大郎選手とともに幼少期から高知レスリングクラブで競技を続け、先輩・櫻井つぐみ選手らとともに切磋琢磨してきました。

大学は櫻井選手と同じ群馬県の育英大学に進学。練習や食事など、大学生活を一緒に過ごしながら、自身も、着実に実力をつけていきました。

(清岡もえ)
「(櫻井選手は)一緒に練習していて、『追いつきたい、追い越したい』と思える選手で、つぐみさんの存在が無かったら自分はここまで強くなれていないと思います」

その櫻井選手と一緒にオリンピック出場を決めた兄の幸大郎選手については…。

(清岡もえ選手)
「兄がここまでグンと成長しているのを見て、『自分も不可能じゃない』と思えたし、兄のように、自分も周りを驚かせられるような選手になりたいと強く思いました」

そして2024年のパリオリンピック、清岡選手は先輩・櫻井選手の練習パートナーとして現地に帯同し、櫻井選手と、自身の兄・幸大郎選手の金メダル獲得を目の当たりにしました。

そこで「嬉しさ」とともに「悔しさ」も同時に味わったという清岡選手。今回の世界選手権優勝で、「ようやく自分が世界で戦える選手になった」と手応えを感じていました。

(清岡もえ選手)
「つぐみさんと、兄の幸大郎を、すごくリスペクトする気持ちはあるんですけど、『もう、ここからは自分の番だ』という気持ちはあって、『自分がこれから高知県のレスリング界を引っ張っていこう』という気持ちはあるので、これからは、応援したり周りの活躍を喜んだりするだけの立場ではなく、『自分が周りから応援してもらえる選手になりたい』と思っています」

2024年秋から育英大学の女子キャプテンを務めている清岡選手は、4月から最終学年の4年生になります。

「世界で戦える選手」として、“憧れ”だった櫻井つぐみ選手や兄・幸大郎選手と、ようやく同じ舞台に立った清岡選手。目指すは、3年後のロサンゼルスオリンピックで2人に続く“金メダル獲得”です。

(清岡もえ選手)
「(今後は)まず、オリンピック階級で世界選手権に出場して、そこで金メダルを獲得して、ロサンゼルスオリンピックにつなげること。そして、一番の大きな夢は、ロサンゼルスオリンピック女子53キロ級で金メダルを獲ることが目標です」