行方不明になっていた80代の女性を発見・救助したとして、高知県佐川町の男性に感謝状が贈られました。消防団員として行方不明者の捜索を行っていた経験がいかされたということです。
佐川警察署から感謝状が贈られたのは、佐川町に住む田村耕作(たむら・こうさく)さんです。ふだんは、地元の葬儀社を経営している田村さん。今月1日の午前2時ごろ、警察から電話で「田村さんが管理する宿泊施設を利用していた女性が行方不明になっている」と連絡がありました。田村さんはすぐに車で捜索を開始。そしておよそ2時間後の午前4時ごろ・・・。

(田村耕作さん)
「ここのあたりでガードレールに寄りかかって座っていました。ほとんど真っ暗です。車で探したときにヘッドライトの明かりでかろうじてわかるいう感じ」
ふだんから人通りが少なく、街灯もないJR西佐川駅から北におよそ300メートルの県道の路上で、額から血を流している女性を発見しました。

女性は親族の葬儀に備えて前日から田村さんが管理する宿泊施設に泊まっていました。「近しい人が亡くなり、気が動転しているかもしれない」と考えた田村さんは、「大丈夫だからね」と話しかけるなどして女性を落ち着かせたということです。

その後、女性は、低体温症のおそれで救急搬送されましたが、命に別条はありませんでした。消防団員として行方不明者の捜索を行った経験がある田村さん。「ふだんお年寄りが行かないようなところも探す」という捜索の知識が生かされたということです。
(田村耕作さん)
「よかった、もうほんとよかったという一言に尽きますね。夜の寒い時でしたので、できるだけ早く発見してあげたかったので無事発見されて、感謝状をいただいて大変うれしく思います」
県警によりますと去年1年間で行方不明になった高齢者は121人で、毎年同じくらいの高齢者が行方不明になっています。県警は、行方不明者が出たらすぐに警察に届け出ることが早期発見につながると話しています。