■地元を思うからこそ-
地元農家の代表を務める河野雄哉さんも、農家の人たちの思いに心を痛めています。

河野さん
「メリットの多い人とデメリットの多い人、それがそれぞれ違うなと。まとまって工事をするのは難しいんだなと思いました」
農家によっては、再編復旧を希望した畑が対象とならなかったケースがあるほか、計画から外された畑もあると言います。西村さんの畑は、県が当初示した案より、工事の範囲が半分以下に縮小しました。
西村さん
「山の上から崩れているんですけれども、真ん中ぐらいから下しか工事しないということで、それならば自分で直せたのに…。でも、自分がごねてもいけないと思って」
それでも皆が再編復旧を進めるのは、地元・玉津を思うからこそです。
西日本豪雨から5年。復旧の道半ばにいる玉津地区。複雑な事情を抱えながら、かんきつの産地は姿を変えようとしています。

ミカン農家・河野さん
「どう転んでもうまくいってほしいという気持ちで進んでいるので、子どもたちが大人になったときにいい産地として残せるようにしたい」