西日本豪雨から7月7日で5年を迎えます。愛媛県内では、土砂崩れに川の氾濫と、各地で甚大な被害を受けました。それは愛媛が誇るミカン畑も例外ではありませんでした。産地の再生を目指す農家の期待と苦悩を見つめます。

全国有数のミカンの産地、愛媛県宇和島市吉田町・玉津地区。5年前の西日本豪雨で土砂崩れが相次ぎ、ミカン園地全体の約4分の1が被災。農家たちは大きな打撃を受けました。

河野雄哉さん(当時34歳)

ミカン農家の河野雄哉さん(38)です河野さんの園地も、約5分の1が被害を受けました。

豪雨から1年後、河野さんの園地ではスプリンクラーが倒れたままで、改修もできていない状況でした。

急斜面が多い玉津地区(イメージ)
山を切り崩し斜面を緩やかに

急傾斜の山が多い玉津地区。愛媛県が提案したのが、再編復旧という大掛かりな工事です。園地を災害前と同じ状態に戻すのではなく、山全体をいったん切り崩し、斜面を緩やかに作り変える方法です。農作業がしやすく、災害に強い園地に生まれ変わることが期待されています。

工事の対象は、約50軒の農家が所有する園地など6.8ヘクタール。総事業費は約5億円で、国や県などが負担し、農家の負担はありません。県は2025年度の完成を目指しています。

河野さんは、再編復旧を進める地元農家の代表を務めています。

河野さん
「スムーズに、そして工事中に新たな災害が起こらないのが一番」