■「住田」とはどこなのか? いざ温泉街で現地調査!

近藤雅之アナウンサー
「ということで、温泉地・道後にやってきました。こちらで松山の歴史に詳しい方と待ち合わせをしているんですが・・・あ、いらっしゃいました!」

市内で観光ガイドを行う「松山はいく」の渡部和也さんです。
渡部さんは小説『坊っちゃん』の舞台を巡るツアーを企画しています。

近藤アナ
「小説『坊っちゃん』の中に「住田」という地名が出てきたんですが、温泉があるということは、やはりここ道後のことを指しているんでしょうか?」
渡部さん
そうとしか考えられないですよね。随所に書いてある描写が道後としか思えないというのがあるので」

やはり「住田」は道後をモデルに書かれた町だった!
さらに渡部さんは小説『坊っちゃん』との関わりが深い道後のスポットに案内してくれました。

■漱石お気に入り!? 明治から続く“団子店”の存在

渡部さん
「道後温泉本館東側の山を登ってきて、今ちょうど坂に来ました。ここを上人坂(しょうにんざか)と言うんですが、突き当りがお寺になっています。ここはかつて道の左右が遊郭になっていました」

宝厳寺(ほうごんじ)へと通じる上人坂。
かつてこの一帯は松ヶ枝町(まつがえちょう)という地名で、数多くの遊郭が立ち並ぶ歓楽街だったそう。

「山門のなかに遊郭があるなんて前代未聞の現象だ」(小説『坊っちゃん』より)
確かに、小説の中のこの記述とも一致しています。

近藤アナ
「ところで、この場所が何か坊っちゃん団子と関係があるんですか?」
渡部さん
「この上人坂の入り口の脇に、かつて団子店があったんです」

なんと!この場所にはかつて団子を商っていた茶店があったという!

当時の道後の様子を収めた地図を見ると・・・確かに遊郭の入口に菓子店の名前が書かれています!
小説『坊っちゃん』に登場する団子店は、当時漱石が実際に訪れたこの店をモデルに書かれたといいます。しかし・・・

近藤アナ
「今ここは休憩場所になっていますが、当時あった団子店は現在どうなっているんですか?」
渡部さん
「今は『つぼや』という名前で、場所は変わって商店街の中に入っています」

その店は場所を変え、現在も商いを続けているそう。